確定申告とは

投稿日2000.01.01

確定申告が必要な人

(1)給与所得者

A.1月1日から12月31日までに支払を受ける給与収入が2,000万円を超える人
B.2ヶ所以上から給与の支払を受けている人で、従たる給与の収入金額と給与・退職所得以外の所得合計が20万円超の人
(ただし、給与収入から年末調整で控除できる基礎控除以外の所得控除額を差し引いた残額が150万円以下で、かつ、給与・退職所得以外の所得合計が20万円以下の人は不要)
C.1ヶ所から給与の支払を受け、給与・退職所得以外の所得合計が20万円超の人
D.同族会社の役員、親族等で給料の他にその同族会社から貸付利息、家賃収入等の支払を受けている人(収入金額が20万円以下でも申告)

(2)一般の人

 各種所得の合計金額から所得控除を差し引いた額に税率を適用して計算した所得税額が、配当控除額・住宅ローン控除額の合計額を超える人

(3)退職金をもらった人

 通常は退職の際、会社に対して「退職所得の受給に関する申告書」を提出して所得税の精算が行われているはずなので確定申告は不要です。しかし退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合には、退職手当等について支払額の20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)の税率で源泉徴収が行われますので、所得税の精算は確定申告で行うことになります。
 なお、退職した年の給与所得が少なく、社会保険料控除や基礎控除等の各種所得控除額が控除しきれない場合は、確定申告をすることによりその控除しきれなかった分を退職所得から控除し、退職所得から源泉徴収された税金の還付を受けることができます。
 また、退職後事業を始めた場合や不動産賃貸収入がある場合で、その所得が赤字のときは、確定申告をすることによりその赤字を退職所得と損益通算することができ、退職所得から源泉徴収された税金の還付を受けることができます。

確定申告をした方がよい人 

(1)医療費控除を受ける人
(2)住宅ローン控除、特定増改築等の住宅ローン控除を受ける人
(3)住宅耐震改修特別控除、住宅特定改修特別税額控除、認定長期優良住宅新築等特別税額控除を受ける人
(4)年の中途で退職して年末調整をしなかった人、もしくは年末調整後扶養親族等に異動があった人
(5)災害、盗難、横領により住宅や家財について損害を受けたため、雑損控除を受ける人
(6)災害により住宅や家財について損害を受けたため、災害減免法の規定による所得税の軽減又は免除を受ける人
(7)特定の寄付をした人
(8)予定納税額が確定申告税額より多い人
(9)上場株式等に係る譲渡損失の金額と申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得の金額との損益通算ができる人

確定損失申告をすることができる人

(1)その年の翌年以降に純損失あるいは雑損失の繰越控除を受ける人
(2)その年分の純損失の金額について、純損失の繰戻しによる還付を受ける人
(注)損失申告書とともに還付請求書を提出する
(3)マイホームの譲渡損失の繰越控除を受ける人

提出期間

翌年の2月16日から3月15日までの間です。
郵便又は信書便により提出する場合は、3月15日までの通信日付印があれば郵送でも構いません。なお、還付申告については、翌年の1月1日から5年間提出することができます。

提出先

提出時の住所地を管轄する税務署

納付

翌年の2月16日から3月15日までに納税する必要があります。一定の手続きをとれば口座振替によることも可能です。

なお、3月15日(振替納税を利用する場合は振替日)までに1/2以上納付すれば、残額は5月31日まで延納することもできます。但し、年「7.3%」と「特例基準割合(※)+1%」のいずれか低い割合の利子税(平成29年11月現在2.7%)がかかります。

(※)特例基準割合とは、各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合をいいます。

(特例基準割合)

平成29年1月1日~平成29年12月31日・・・1.7%

確定申告書の提出、納付が間に合わなかったら

3月16日以降に期限後申告をした場合、平成18年分以降の各年分については、原則として納付すべき税額のうち50万円までは15%、50万円超の部分は20%の無申告加算税が課せられます。
平成29年1月1日以後(平成28年分以後)については、調査の事前通知の後にした場合は50万円までは10%、50万円を超える部分は15%が課せられます。
なお、それが税務署の調査による更正、決定を予知したものでなく、自主的に申告をした場合には、無申告加算税は5%に軽減されます。
但し、平成18年分以降の年分については、期限後申告が申告期限から1月以内に自主的に行われ、かつ、期限内に全額納付するなど期限内申告をする意志があったと認められる等一定の場合には、無申告加算税は課されません。

納付が間に合わなかった場合、納期限の翌日から期限後申告書を提出した日の翌日以後2ヶ月以内は上記6.の利子税と同じ割合で、それ以降は年「14.6%」と「特例基準割合(※)+1%」のいずれか低い割合で延滞税が課されます。

確定申告書の提出後、誤りを発見した場合

(1)納税額が少なかった場合

修正申告書を提出します。その場合過少申告加算税の取扱いは以下のようになります。

a.税務署の調査による更正を予知したものでない場合はなし。
b.a以外は新たに納めることとなった税額の10%(但し、一定額以上の増差税額の場合は15%となります)。

(2)納税額が多かった場合

a.更正の請求を行います。

(更正の請求ができる期間)平成23年12月2日以後に確定申告書の提出期限(法定申告期限)が到来する所得税法定申告期限から5年以内平成23年12月2日より前に法定申告期限が到来する所得税法定申告期限から1年以内
ただし、1年を過ぎてしまった課税期間についても「更正の申出書」を提出することができ、調査によりその内容が認められれば、税金の還付を受けることができます。後発的理由により更生等があった場合は、それらの事実が生じた日の翌日から2月以内に提出する必要があります。
b.医療費控除等を忘れていた場合、確定申告書を提出した人は5年以内に更正の請求をすることにより還付を受けることができます。 確定申告書の提出義務がなく申告していなかった人は5年以内に還付申告書を提出します。

(例、平成25年分の医療費控除の還付申告は、平成30年12月31日まで)

確定申告書を提出しなかったり、申告額が誤っている場合

決定(申告がない場合に税務署が税額を決めること)または更正(申告額の誤りを税務署が修正すること)処分を受けます。その際、各種加算税も納付しなければなりません。

予定納税

その年の5月15日現在確定している前年分の予定納税基準額(注)が15万円以上ある人は、7月と11月にその1/3ずつ納税します。この予定納税額は本年分の確定申告時に精算されます。

(注)予定納税基準額の計算方法

(1)その年の5月15日現在確定している前年分の所得-(分離課税の所得(山林所得、退職所得等)+譲渡所得+一時所得+雑所得+平均課税を選択した臨時所得)
(2)(1)-前年分の所得控除額
(3)(2)に対する税額を計算
(4)(3)-(1)の所得に対応する源泉徴収税額
(5)(4)≧15万円・・・要予定納税

なお、その年の6月30日の状況での所得税の見積額が予定納税基準額よりも少なくなる場合には、7月15日までに所轄税務署長に「予定納税額の減額申請書」を提出して承認されれば、予定納税額は減額されます。
また、第2期分の予定納税額だけの減額申請は11月15日までとなります(10月31日の状況で見積り)。

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    税理士法人横須賀・久保田編集部

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