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個人住宅の賃貸流通の促進について

投稿日2015.07.08

最近、空き家問題が社会問題化しています。その対策の一つとして、個人住宅について、DIY(do it yourself)型賃貸を活用することが考えられています。そこで今回は「DIY型賃貸を活用した個人住宅の賃貸流通の促進」についてお伝えします。

「DIY型賃貸」とは

DIY型賃貸とは、主に個人住宅を賃貸に供する際に行うリフォーム等の改修を借主の費用負担により、借主の好みを反映した上で行い、退去時の借主の原状回復義務を免除する契約形態をいいます。
DIY型賃貸を活用する意義は以下のとおりです。

イ.借主としては自分好みの模様替えや設備設置ができ、居住の快適性を確保できる。
ロ.貸主としては長期契約への契機となる。
ハ.既存の住宅ストックを良質な状態で適切に管理し、長期間にわたって利用することで現状の空き家問題の改善を図ることができる。

なお、「DIY型賃貸が、実際にはどのような賃貸借になるのか、よくわからない」といった貸主・借主の声が多く、普及を妨げる要因の一つになっていました。このため、国土交通省が改修費用に係る資金調達の方法や契約当事者間で協議・合意すべき内容等について先進事例を調査した上で報告書を発表しました。

報告書の詳細につきましては、国土交通省作成のPDFファイル
http://www.mlit.go.jp/common/001083318.pdf)等をご参照ください。

DIY型賃貸借における実務上の留意点

以下に上記報告書のうち、一部をご紹介します。

(1)改修等の工事前では、工事内容(実施箇所、使用する部材及び色彩等)、工法、工事実施者工事実施後の施工箇所の確認等が重要です。なお、確認に際しては、図面等を添付した上で慎重に協議し合意することがトラブル回避の観点から有効です。

(2)改修等工事により借主が設置した部分の所有権については、予め、貸主と借主のどちらに帰属するのか。また、退去時の原状回復義務についても明確に定めることが重要です。

なお、DIY型賃貸借契約による賃貸といっても、その物件の所在する地域や物件自体の個別性等により協議・合意すべき事項は異なります。

加えて、法律上・税務会計上等の観点から専門的知識が必要となる場合もあることから、各物件の個別性に応じて、各種専門家等を活用して、DIY型賃貸借の実施に係る協議及び合意形成を図ることが肝要です。

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