平成29年度税制改正大綱(個人所得課税)
平成29年度税制改正大綱が平成28年12月22日に閣議決定されました。
配偶者の働きやすい環境づくりのため、配偶者控除及び配偶者特別控除の制限が緩和される一方、納税者の合計所得金額が1,000万円超の場合、配偶者控除及び配偶者特別控除が適用不可になる等、多くの方に影響が出る改正となります。
今回は、個人所得課税の改正の概要をお伝えします。
1. 配偶者控除の見直し
配偶者控除とは、納税者に年収が103万円以下で生計を同じにしている配偶者がいる場合、納税者の所得税を計算するときに38万円の控除を行うという制度です。また、所得税の計算を行う年の12月31日現在の年齢が70歳以上の配偶者の場合、控除額が48万円となります。
今回の改正で、この配偶者の年収の上限が103万円から150万円以下に引き上げられます。また下図のように、納税者の合計所得金額に応じ、配偶者控除の控除額が3段階に分けられることになり、合計所得金額が1,000万円超の納税者については、配偶者控除が適用不可となります。
納税者の合計所得金額 | 控除対象配偶者の控除額 | 老人控除対象配偶者の控除額 |
---|---|---|
900万円以下 | 38万円 | 48万円 |
900万円超950万円以下 | 26万円 | 32万円 |
950万円超1,000万円以下 | 13万円 | 16万円 |
2. 配偶者特別控除の見直し
配偶者特別控除とは、納税者に年収が103万円超141万円未満で生計を同じにしている配偶者がいる場合、納税者の所得税を計算するときに段階的に控除を行うという制度です。
今回の改正で、この配偶者の年収が103万円超188万円以下に引き上げられます。
また下図のように、納税者の合計所得金額に応じ、配偶者特別控除の控除額が段階的に分けられることになります。
なお合計所得金額が1,000万円超の納税者について、配偶者特別控除が適用不可は変更ありません。
\納税者の所得→ ↓配偶者の年収\ | 900万円以下 | 900万円超 950万円以下 | 950万円超 1,000万円以下 |
---|---|---|---|
103万円超150万円以下 | 38万円 | 26万円 | 13万円 |
150万円超155万円以下 | 36万円 | 24万円 | 12万円 |
155万円超160万円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 |
: | : | : | : |
180万円超185万円以下 | 6万円 | 4万円 | 2万円 |
185万円超188万円以下 | 3万円 | 2万円 | 1万円 |
これらの改正は、平成30年分以後の所得税から適用となります。
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(文責-久保田 勝一)
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