不動産DXについて

現在、様々な業界においてDXが進んでいます。不動産分野においては、国土交通省が宅地建物取引業におけるアナログ規制の見直しや、不動産取引のオンライン化を進めるなどしています。今回は不動産分野における、DXの実態と今後についてお伝えします。
不動産DXの実態
令和4年5月18日に施行された宅建業法第35条および第37条の改正により、不動産取引で義務付けられていた書面での交付が不要となり、電磁的方法による交付が可能となりました。
これにより、不動産取引における電子契約が全面解禁されました。
しかし、実際の不動産取引において、重要事項説明書や契約書の交付は書面を使用することが多く見受けられます。
また、お客様とのやり取りにも電話を使用する場面も多く、アナログな方法が利用されています。不動産会社間情報流通サービス等を提供しているアットホーム株式会社の「不動産DXに関する実態調査」(調査期間:令和5年12月21日~28日)によると、「DXに取り組んでいる」と回答した不動産業者が15.6%、「まだ取り組んでいないが検討中」と回答した不動産業者が38.6%。「取り組む予定はない」と答えた不動産業者が45.8%となっていることから、施行後1年半経っても現場においてDX化はあまり進んでいないというのが現状です。
DX化のメリット・デメリット
〇メリット
・業務効率化(物件情報や顧客データ管理の円滑化など)
・コスト削減(収入印紙の節約や移動コストの削減など)
・顧客満足度の向上(オンライン内見やリモートでの契約が可能になることなど)
〇デメリット
・DXツールの導入費用がかかる
・導入した後、費用を回収するには一定程度の事業規模が必要となり、中小不動産業者ではツールの導入にメリットを感じられない可能性がある
アットホーム株式会社の調査によると、DXに取り組んだことで実感した効果について、「社内で状況・進捗を確認できた」「社内で情報の集約と共有ができた」という項目について「当てはまる」「やや当てはまる」の割合が7割を超えています。「顧客ニーズに対応できた」という項目に関しては「当てはまる」「やや当てはまる」の割合は約7割という回答からもわかるように、DXツールを導入した不動産業者では上記のメリットを実感できていることが分かります。
今後
国土交通省は、DX化が進んでいない不動産業者向けに支援ツールやマニュアル、相談体制を整備し、これらの情報を集約したWebサイトの開設を行うといった取り組みを検討しています。また、消費者に対しても、メリットや安全性等に関する情報提供を行っていくとしています。
DXの導入が進むことで、不動産業者にとっては業務効率化の実現、それにより人手不足解消にもつながります。DXツールの導入を業界としてバックアップし、導入コストの課題を解決することで、特に中小不動産業者が抱えている人材不足を解決していけるでしょう。
また、オンラインでの展示・商談・内見の活用が進むことにより、消費者は利便性の向上や、今より満足度の高いサービスを受けられることが期待できるでしょう。
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