上場株式等の節税対策
上場株式等の譲渡所得課税は、従来、税率が譲渡収入の1.05%(株式の場合)で済んでいた源泉分離課税制度が平成13年3月31日をもって廃止され、税率が26%の申告分離課税一本となる予定です。
そこで手持株式の取得費が不明な上場株式等や、多額な含み益のある上場株式等を譲渡したときの節税対策として今注目されているのが「クロス取引」です。
そこで今回のFAXNEWSは、上場株式等の課税方式と節税対策としての「クロス取引」についてです。
従来の課税方式
(1) 申告分離課税:譲渡益×26%(所得税20%+住民税6%)
譲渡益 = 収入金額 – (取得費 + 譲渡費用 + 株式取得の借入金利子)
(注) 取得費は、実際の取得費ではなく、概算取得費(収入金額の5%)によることもできます。
(2) 源泉分離課税:収入金額×1.05%
クロス取引による節税とは
平成13年4月1日以降に上場株式等を譲渡した場合には、現在施行されている源泉分離課税方式が廃止されるために、申告分離課税方式による高い税率(26%)により納税することになります。
そこで、平成13年3月31日までの間に、一度上場株式等を譲渡するとともに直ちに再取得します。
源泉分離課税方式による安い税率による恩恵を享受し、同時に、安かった取得原価を現在の価額と置き換えておき、来年4月1日以降の譲渡に備えることが対策として考えられます。
税務上問題がないとされたクロス取引とは
(1) 上場株式
立会時間内のオークション市場での取引。
立会時間外の取引(東証の場合TosTNeT)で再取得が同日中に行われない取引。
(2) 店頭売買株式
JASDAQ売買システムによる取引。
マーケットメイクを行う証券会社を通じて行われたマーケットメイク銘柄に係る取引。
上場株式等を取得したときは、売買報告書等関係書類を保管しておくことが大切です。
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