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地代(借地料)の実態調べの結果について

投稿日2000.11.28

政府は、日銀の短観や経済企画庁のマクロの景気動向指数だけでは不安を感じたせいか、最近ではタクシーの運転手に街角の景気ウォッチングを行っています。その結果は前月を下回っているとか…

このためもあってかオフィスビルの家賃は、概ね地価にスライドして下落していますが、地代(借地料)については、固定資産税等のからみで家賃ほどには下落していません。

ところで、私は昭和49年から3年毎に継続している地代の実態調べを行っていますが、今回第10回目にあたる平成12年度の実態調べがまとまりました。

その結果を表示すると次の通りです。

表1  地代の変動状況

用途別 H9年調査時とH12年調査時との同一継続事例における3年間の地代変動率 前回調査における3年間
(H6.1.1~H9.1.1)の場合
都内23区
商業地の場合
H9.1.1~H12.1.1・・ -1.0%
(239件平均)
H6.1.1~H9.1.1・・ +19.3%
(178件平均)
都内23区
住宅地の場合
H9.1.1~H12.1.1・・ +1.2%
(468件平均)
H6.1.1~H9.1.1・・ +17.4%
(277件平均)
都内23区
併用
その他の場合
H9.1.1~H12.1.1・・ +0.9%
( 111件平均)
H6.1.1~H9.1.1・・ +17.3%
?(85件平均)

※地 代…継続地代の実態調べ(横須賀博)より

表2  「地価、固定資産税等、地代の推移」(指数)

  商業地 住宅地
時 点 地 価 固定資産税等 地 代 地 価 固定資産税等 地 代
S63.1 100 100 100 100 100 100
H 3.1 102 145 116 96 117 109
H 6.1 55 207 149 55 138 132
H 9.1 30 263 178 46 160 154
H12.1 23 244 176 40 157 155

※地 価…国土庁:東京都区部・商業地及び住宅地の地価公示の変動率より
※地 代…継続地代の実態調べ(横須賀博)より

表1で理解されるように、地代はH6年~H9年の間は上昇しましたが、H9年~H12年の間は横這いです。表2では、地代は地価にスライドするというよりも、固定資産税にスライドしていることが容易に理解されます。

したがって、今後は固定資産税等も下落傾向にあるので、その分だけ地代も弱含みとなることが予想されます。

その他、家賃の実態や借地にかかる一時金の額についても実態調べを行っておりますので、何かのお役に立てればと思っています。(なお、この実態調べは経済企画庁の経済白書にも使われていることを申し添えます。)お気軽にどうぞ。

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