消費税の問題点

投稿日2002.04.28

消費税は平成元年4月に税率3%で導入され、平成9年に現在の税率5%に改正されました。
以後、消費税は国民生活にすっかり定着し、今では消費税に異を唱える人は皆無でしょう。
しかし「消費税の益税」と「消費税の滞納」は、高齢化で社会保障の負担が増す将来を視野に入れますと、早急に解決しなければならない問題です。
そこで今回のFAX NEWSでは、「消費税の益税」と「消費税の滞納」について考えてみました。

「消費税の益税問題」
 消費税の益税とは、消費者が負担した消費税の一部が国庫に入らず、事業者の手元に残ってしまうことを言います。
これは、年間売上高3000万円以下の事業者について納税が免除されていることと、年間売上高2億円以下の事業者を対象に簡易課税制度が設けられていることがその原因です。
特に、年間売上高3000万円以下の免税制度は、消費税導入以来一度も見直されていません。
そして免税事業者は全事業者の6割強の368万と言われ、これらの免税事業者の一事業者当たり平均売上高を2000万円(第2種小売業・簡易課税制度適用の場合)と仮定すると、7000億円もの消費税が免税事業者の手元に残ってしまう計算となります。

「消費税の滞納問題」
 消費税の滞納額は、ここ数年の景気低迷を受け、現在6000億円もあるそうです。
これは、事業者の消費税納付は年4回(中小事業者は年2回)であるため、消費税を預かっている期間が長く、そのために資金繰りに苦慮すると、つい運転資金に流用されるケースが多いためのようです。
そこで納付回数を増やし、消費税が事業者の手元に滞留する期間を短くすることが検討されているようです。因みにフランスやドイツでは毎月納付する仕組みになっています。
又事業者は、消費税を分別管理し納税に備える姿勢も必要です。

 政府税制調査会が6月にまとめる税制改革の基本方針には、これらの問題点が盛り込まれるとのこと。
最近、「税金の使途」が非常に不透明で問題となっておりますが、自分が負担した消費税が国庫に入らないことも何故か割り切れませんネ。

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(文責-横須賀 博)

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