連結納税制度

投稿日2010.07.18

平成22年度税制改正の目玉の一つに連結納税制度があります。今回は、連結納税制度がどのように改正されたかその概略を簡単にご紹介します。

改正前

平成14年度に導入された連結納税制度では、連結納税開始前または加入前の連結子法人の繰越欠損金は、一部の例外を除いて切り捨てられていました。租税回避の防止と税負担の減少を回避するために、このような取扱いとなっていましたが、逆にこのことが、グループ会社に連結納税の採用を見送らせる要因ともなっていました。

22年度改正

  • (1)次の連結子法人の繰越欠損金については、当該法人の個別所得を限度として使用することが可能になりました(特定連結子法人といいます)。
    連結親法人に5年超保有されている100%子会社
    連結親法人または100%子会社によって設立された100%子会社
    連結親法人を合併法人等とした適格合併等が行われた場合に、被合併法人等が5年超継続して保有していた100%子会社
    その他
  • (2)連結納税制度の申請期限が適用開始事業年度の3ヶ月前の日になりました(改正前は6ヶ月前)。

連結納税を採用するにあたっての注意点(以前からある制度含む)

  • (1)上記改正によって子会社の繰越欠損金の一部が使用できるようになりましたが、使用できるのはあくまで子会社自身の個別所得が限度です。つまり、他の会社の利益とは相殺できません。
  • (2)繰越欠損金を使用できる子会社以外は、これまで通り連結開始時に保有する固定資産や有価証券は時価評価されます(一定金額の資産は適用除外)。含み益がある場合は連結加入前に課税され、含み損がある場合は繰越不可の損失として処理されます。
  • (3)地方税は連結納税対象外です。地方税はこれまで通り単体ごとに納税することになります。

結び

今回の改正は、子会社の繰越欠損金を無条件で全額利用できるようになったということではなく、単なる条件の緩和です。連結納税制度を採用すれば子会社の全ての繰越欠損金を利用できるようになったという訳ではありません。また一度採用するとやめるのが困難であり、さらに100%子会社ができたら必ず連結しなくてはならないという縛りは依然として残っています。

子会社の繰越欠損金を使用するのであれば、適格合併をしたほうがハードルが低い場合もあります。あくまでもグループ全体の将来をシュミレートし、最適な方法を選択すべきでしょう。

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