特定支出控除制度の改正案について
平成23年度税制改正案では、給与所得に係る特定支出控除制度の範囲が拡大される予定です(平成24年分以後から適用)。そこで、今回のFAX NEWS では、この特定支出控除制度の改正案についてお伝えします。
1 特定支出控除制度
特定支出控除制度とは、給与所得者の特定支出の合計額が、給与所得控除額を超える場合に、その超える金額を給与所得控除額に加えて給与収入から控除できる制度です。
しかし、従来の特定支出控除制度は、通勤費や転居費用といった支出に限られていたため、ほとんど適用がありませんでした。
現行 | 改正案 | |
特定支出 | 通勤費や転居費用等 | 左記の他、資格取得費、職務に必要な勤務必要経費を追加。 勤務必要経費とは、職務に通常必要な交際費、職務に関連のある図書の購入費用等が該当し、給与収入額にかかわらず、年間65万円を限度とします。 |
給与所得控除額に加算できる金額 | 給与所得控除額を超える金額 | 給与収入1500万円以下:給与所得控除額の1/2を超える金額 |
給与収入1500万円超:一律125万円を超えた部分の金額 |
2 参考例
年間給与収入500万円、特定支出100万円の場合給与所得控除額 154万円
特定支出控除額 23万円(100万円-154万円×1/2)
なお、従来通り特定支出控除制度における資格取得費や勤務必要経費は、領収書だけでなく、それが特定支出であることについて勤務先から証明書を発行してもらう必要があります。
また、この支出はどこまでが勤務に必要なのか等、プライベートとの境界線の判断が難しい制度であることも付け加えておきます。
さて、今回の改正によって同制度は、どのくらい普及するのでしょうか。
お問い合わせは当ホームページの無料税務相談コーナーからどうぞ。
(文責-横須賀 博)
メルマガ登録はコチラ
当グループでは、メールマガジン「横須賀G通信」を毎月3回発行しています!
会計・税務・不動産に関する最新情報や知らないと損をする情報などをお届けしています!
お申し込みはこちらからお気軽にどうぞ。