災害損失に関する取扱い

投稿日2011.04.28

国税庁は、現行の通達等に盛り込まれている災害時の取扱いのFAQや質疑応答事例を順次公表しています。さらに東日本大震災の被災地の復旧・復興に伴う震災特例法の第一弾が国会に提出され、成立しました。
そこで今回のFAX NEWS は、その中の災害損失に関する法人税の主な取扱いについてお伝えします。

1 災害損失特別勘定

東日本大震災により被害を受けた棚卸資産及び固定資産の修繕費用等で、災害のあった日から1年以内に支出すると見込まれる費用を適正に見積もることができるものは、災害損失特別勘定に繰り入れて損金算入することができます。

項 目内 容
繰入を行う事業年度災害のあった日の属する事業年度(被災事業年度)
繰入限度額次のうちいずれか多い金額(保険金等により補填される金額は除く)
(1) 被災資産の「帳簿価額-被災事業年度終了日の時価」
(2) 災害のあった日から1年以内に支出すると見込まれる修繕費用等
修繕費用等の範囲被災資産の取壊し費用又は除去費用
被災資産の原状回復費用
土砂その他の障害物の除去費用 等
修繕費用等の見積方法修繕を請け負う建設業者等による見積額 等
経理処理損金経理をして明細書を添付
特別勘定の取崩し災害のあった日から1年経過する日の属する事業年度終了日に益金算入

2 法人税額の繰戻還付

欠損金の繰戻し還付制度は一定の場合を除き適用停止されていますが、震災特例法では、「震災損失の繰戻しによる法人税額の還付」が請求できるように規定されています。

これは、平成23年3月11日から平成24年3月10日までに終了する事業年度において生じた繰戻対象震災損失金額(東日本大震災による棚卸資産、固定資産等の損失額で一定のもの)がある場合は、その事業年度開始の日前2年以内(通常の繰戻し還付制度は1年以内)に開始した事業年度まで遡って還付を受けることができる制度です。

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(文責-横須賀 博)

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