貸倒引当金廃止へ

投稿日2012.02.18

昨年12月2日に公布された平成23年度税制改正では、法人税率引き下げの財源措置の一つとして、貸倒引当金が、一部の例外を除き原則廃止されることになりました。中小企業についてはこれまで通り存置されますが、グループ法人税制との関係で中小企業であっても縮小、廃止される場合もあります。また、経過措置や対象会社の区分にも注意が必要です。
今回のFAX NEWSでは、貸倒引当金制度の改正について概要をまとめました。

(1) 改正の概要

今回の改正は、下記のとおり、法人の規模や業種等により、(1)これまで通り存置される法人(2)引当対象となる債権の範囲が縮小される法人(3)廃止される法人、に分類されます。また、これらの縮減、廃止は、一括評価金銭債権、個別評価金銭債権どちらにも適用されます。

区分対象会社例示対象債権
(1)
存置
中小企業※資本金1億円以下である普通法人従来通り可能
(売掛金、受取手形、貸付金など)
公益法人公益社団法人、公益財団法人など
金融業銀行、保険会社、民間サービサーなど
(2)
縮小
所有権移転ファイナンスリースにかかる債権などの金融債権を有する会社リース会社、証券会社、質屋、クレジットカード会社、信販会社などリース資産の対価、割賦販売に係る債権などに限定して可能
貸金業法に規定する貸金業者消費者金融、業者金融など金銭債権、買取債権などに限定して可能
(3)
廃止
上記以外一般の大法人、グループ会社など

※但し、資本金5億円以上の法人による完全支配関係がある法人は上記中小企業から除外。

(2) 経過措置

上記の貸倒引当金が縮小または廃止される法人については、激変緩和として経過措置が設けられており、下記のとおり4年間にわたって段階的に廃止されることになります。

事業年度開始日3月決算の場合繰入限度額
H24.4.1~H25.3.31H25.3期従来計算×3/4
H25.4.1~H26.3.31H26.3期従来計算×2/4
H26.4.1~H27.3.31H27.3期従来計算×1/4
H27.4.1~H28.3期~0

平成10年度の賞与引当金廃止、平成14年度の退職給与引当金廃止など課税ベースの拡大傾向は続いています。今後も税制改正の流れには十分に留意する必要があります。

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(文責-久保田 勝一)

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