相続税の連帯納付義務の解除
今回のFAX NEWSでは、平成24年3月30日に成立した平成24年度税制改正のうち、新たに設けられた相続税の連帯納付義務の解除要件についてお伝え致します。
1 連帯納付義務の解除要件の概要
相続税の連帯納付義務とは、一緒に相続した人のうちで相続税を滞納した人がいた場合、滞納した人の相続税を他の相続人が連帯してその滞納分も負担しなければならないという制度です。
さらにその人が滞納していた期間の延滞税も合わせて負担しなければならず、問題視されていました。そこで今回の改正で一定の要件を満たした場合、連帯納付義務が解除されることになりました。
2 解除要件
連帯納付義務の解除要件(連帯納付義務がなくなるための要件)と解除範囲は下記のとおりとなります。
解除要件 | 解除範囲 |
---|---|
申告期限から5年を経過する日までに連帯納税義務者に納税通知が発行されていないこと | 全て |
本来負担する人が相続税の延納の許可、または納税の猶予を受けたこと | 延納の許可、または納税の猶予を受けた部分 |
連帯納付義務は、改正日(平成24年4月1日)前に申告が済んでいる場合であっても、上記の要件を満たせば、申告期限に関わらず適用されます。
なお、今回の改正は相続税のみで贈与税は対象外です。
3 むすび
相続税は自分の負担分を納税した後も一緒に相続した人の納税状況によって潜在的な納税義務があります。今回の改正によって連帯納付義務の制度が緩和され、思わぬ納税が生じるケースは少なくなると思われます。
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(文責-久保田 勝一)
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