外形標準課税対象法人の見直し
外形標準課税は平成16年に企業の事業規模に応じて広く税負担すべきものとして導入されました。導入時から現在まで事業規模の指標として資本金による基準が採用されています。
しかしながら現在では多くの企業が減資や企業グループによる分社化や持株会社化などにより、実質事業規模が変わらないにもかかわらず当制度の対象外になる事例が多くなってきています。
そこで令和6年度税制改正により従前の資本金による基準に補充的な基準が追加されました。
適用対象法人
従前の資本金による判定基準の他に、資本剰余金も合わせた形で判定する基準やグループ企業を一体として判定する基準が追加になりました。
資本金 | 判定基準 | 改正前 | 改正後 |
---|---|---|---|
1億円超 | 全て | 対象 | 対象 |
1億円以下 | (1)資本剰余金も合わせた形の判定 前事業年度※1 が外形標準課税の対象かつ 「資本金+資本剰余金」が10億円超 |
対象外 | 対象 |
(2)グループ企業を一体としての判定 「外形標準課税の対象かつ「資本金+資本剰余金」が 50億円超の法人」の100%子法人等※2で 「資本金+資本剰余金」が2億円超 |
対象外 | 対象 | |
(3)(1)及び(2)以外 | 対象外 | 対象外 |
※1 施行日(令和7年4月1日)以後最初に開始する年度については前事業年度ではなく下記の事業年度となります。なお、公布日は令和6年3月31日になる見込みです。
・公布日前日の資本金が1億円超の場合⇒公布日を含む事業年度の前事業年度
・公布日前日の資本金が1億円以下の場合⇒公布日以後最初に終了する事業年度
※2 完全支配関係がある法人と100%グループ内の複数の法人に発行済株式等の全部を保有されている法人をいいます。
適用時期
(1)資本剰余金も合わせた形の判定 :令和7年4月1日以後に開始する事業年度より
(2)グループ企業を一体としての判定:令和8年4月1日以後に開始する事業年度より
備考
(1)資本剰余金も合わせた形の判定では過去のいずれかの事業年度で外形標準課税の対象であることが判定基準になっていますので、今まで対象となったことがない企業が新たに対象となることはありません。
(2)グループ企業を一体としての判定では、親法人が外形標準課税の対象である場合には子法人は新たに外形標準課税の対象となることがありますので注意が必要です。
ただし、その際は2年間の軽減措置が設けられています。
期間 | 軽減措置 |
---|---|
令和8年4月1日~令和9年3月31日 の開始事業年度 |
従前の方式で計算した税額を超える額の 3分の2の減額 |
令和9年4月1日~令和10年3月31日 の開始事業年度 |
従前の方式で計算した税額を超える額の 3分の1の減額 |
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