EV充電設備市場の動向
EV(電気自動車)充電設備の市場が急拡大しており、マンションをはじめとした集合住宅でも導入する動きが広がっています。こうした背景として行政による補助金や設置義務化の動きが進んだ事が挙げられます。そこで今回はEV充電設備市場の動向についてお伝えします。
EV補助金と義務化
日本政府は脱炭素社会の実現に向け2035年までに乗用車新車販売における電動自動車の比率を100%とする目標を掲げており、それにあわせて急速充電器3万基を含む公共充電器の数を2030年までに15万基設置まで伸ばし、ガソリン車並みの利便性実現を目指すとしています。
総合マーケット調査会社、富士経済の調べによると、集合住宅のほか、商業施設や宿泊施設など法人・団体向け充電サービス用EV充電器の累計設置台数は、2022年時点で5700台で前年比7.1倍に拡大しています。これは経済産業省によるEV充電設備補助金予算が過去最大額となったことで引き合いが増加したほか、CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)においても集合住宅のEV充電設備が対象に加わったため、特に集合住宅で導入が進んだことの影響が大きいと思われます。
また、義務化の動きでは、2022年12月に東京都は都内の新築建築物へのEV充電設備設置を義務化する全国初の条例を可決し、2025年4月から適用され、新築マンションの場合は、専用駐車場区画の2割以上のEV充電設備設置と新築稼働後の使用者のニーズに応じた増設に円滑に対応できるように、同区画の50%以上に配管等を整備することが義務付けられます。
不動産デベロッパーによる新築マンションへのEV充電設備設置推進
不動産デベロッパーの野村不動産は、環境配慮型住宅の開発に力を入れており、神奈川県相模原市で開発している大型マンションでは、屋内平置き駐車場200台の全駐車区画に充電用コンセントを設置し、来客者用駐車場には急速充電器も導入しています。
また、大京では、駐車台数に対する充電器設置率を50%に引き上げるとともに、残りの駐車区画には、将来的にEV充電コンセントの増設が可能な空配管を設置し、今後開発するマンション全てでEV充電を標準仕様化することを決定しました。
まとめ
EV普及率が軒並み20%を超える欧州主要国に比べ、国内ではその動きが鈍かったが、こうした行政による補助金や義務化により2020年までは概ね1%を下回る普及率でしたが、2022年から著しく上昇して概ね4%前後となり、EV対応への動きが活性化しています。
不動産の価格は一般経済社会における動向によって形成される傾向がありますが、今後EVの普及が進むにつれてEV充電設備の有無が需要に影響を与え、新築マンションと中古マンションに対する価格動向にも影響を与えるかもしれません。
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