インボイス導入と消費税等経理方式
いよいよインボイス制度の開始時期まで3ヶ月を切りました。
現在、免税事業者である事業者はインボイス制度が始まる10月1日から
(1)課税事業者になる若しくは(2)免税事業者のまま、のどちらかを選択することになります。
(1)課税事業者になることを選択した場合、様々な対応が求められますが今回は会計帳簿における消費税等の経理方式の対応についてお伝えいたします。
免税事業者(法人)
各事業年度の法人税等の課税所得の計算においては税込経理方式に基づいて計算をします。従って、会社の消費税等の経理処理も税込経理方式とするのが一般的です。
課税事業者(法人)
各事業年度の法人税等の課税所得の計算においては税抜経理方式又は税込経理方式のいずれかに統一した方式に基づいて計算をします。会社としてはどちらの方式にするか選択した上で、全ての取引の処理を選択した方式で統一していくことになります。
事業年度中途で免税事業者から課税事業者へ変更した場合(法人)
事業年度中途で免税事業者から課税事業者へ変更する場合には、変更前後での消費税等の経理方式の検討が必要となります。全4ケースについて留意点などを記載しております。
◆会社の消費税等の経理方式と法人税等の課税所得の計算の取扱い
免税事業者期間 | 課税事業者期間 | |
---|---|---|
ケース1 | 税込経理方式 | 税込経理方式 |
ケース2 | 税込経理方式 | 税抜経理方式 |
ケース3 | 税抜経理方式 | 税抜経理方式 |
ケース4 | 税抜経理方式 | 税込経理方式 |
・ケース1
会社の方式は不変ですので、従前税込経理方式採用の場合は過年度との比較に優位ですが、課税事業者期間は消費税が内数のため、期中に現時点での消費税の金額、利益の金額を把握するのが困難です。
・ケース2
期中に方式変更をしますので、月次ベースでの比較が困難になります。また設定変更など事務的負荷がかかります。反面、課税事業者期間は期中に現時点での消費税の金額、利益の金額を把握できます。
・ケース3
免税事業者期間は法人税等の課税所得の計算の為に別途税込経理方式に基づいて計算する必要があります。免税事業者期間の取引数によっては相当の実務上の負荷が想定されます。
・ケース4
免税事業者期間に税抜方式を採用していたものを課税事業者になってから敢えて税込方式に変更することにメリットはありません。
期中での変更は負荷がかかるため、変更時の事業年度ではケース1を採用し、次年度で税抜経理方式に変更するなどの方法も検討する余地があります。記帳の頻度やボリュームなどによって決めていく必要があります。会社の状況によって一長一短ありますので、専門家の意見なども踏まえて多角的な検討をすべきです。
個人事業者の場合
個人事業者の場合は、所得税の取扱いを確認しながらの検討となります。法人税の取扱いと大きくは変わりありませんが、相違点もございますのでご検討が必要な方は下記当法人ホームページの無料相談よりお問い合わせください。
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