平成23年地価公示の留意点
平成23年3月18日に国土交通省より平成23年地価公示が発表されました。その発表によると全国平均で▲3.0%の下落となっていますが、1年前の下落率▲4.6%に比べると下落幅は縮小しています。国土交通省も「平成22年の1年間の地価は、全国的に依然として下落基調が続いたが、下落率は縮小し、上昇・横ばい地点も増加した。」と総括しています。
しかし、平成23年地価公示発表直前の平成23年3月11日には東日本大震災が発生しており、公表内容に違和感を覚える方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回のFAX NEWSは平成23年地価公示を読むにあたっての留意点をお知らせします。
1.地価公示について
地価公示は、毎年1月1日時点の標準地(平成23年は全国26,000地点)の価格を示すものです。その目的は、一般の土地の取引価格に対して指標を与えるとともに、公共事業用地の取得価格の算定等の規準とされていますが、現在では課税目的等多方面にわたって活用されています。
2.平成23年地価公示の留意点
上記の通り、地価公示は1月1日時点の価格、すなわち震災前の状態を前提とした価格を示していますので、3月11日に発生した震災の影響は今回の地価公示には反映されておりません。この点については、国土交通省も「東日本大震災により被害を受けた地域にある標準地については、当該震災により標準地の利用の現況、標準地の周辺の土地の利用の現況等が変わっているものもあります。したがって、地価公示の価格等を利用する際には、当該震災の前後で価格等が変化している標準地があることに留意して下さい。」と注意を促しています。
そのため、今回の震災の影響が反映されるのは、次回の平成24年地価公示となります。
3.むすび
今回の震災は未曾有の大災害となり、被災地では震災の前後で土地利用状況も一変してしまいました。これらの地域の復興にあたり公共工事等が行われると思いますが、その際の土地取引の指標として、地価公示価格が活用されるのではないかと思います。
被災地の一日も早い復旧と復興を心より願っております。
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(文責-横須賀 博)
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