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株式などのクロス取引 二題

投稿日2000.10.18

 従来、所得税・法人税の両方で、株式などのクロス取引による取得価額の付け替えや損益計上が認められていましたが、最近になって、法人税では基本通達の改正により、クロス取引を利用する節税策が封じ込められることになりました。

今回のFAX NEWSは、株式などのクロス取引についての二題です。

所得税の動向

(1)個人が、同一銘柄で、かつ同株数の有価証券を売却し、ほぼ同時に買い戻す-いわゆる「クロス取引」を行った場合には、このときの取引価格が新株式などの取得価額となります。

(市場外での直接相対取引には適用されません。)

(2)このことから、本誌175号でご紹介しましたように、長期保有株などで取得価額が相当程度低いものについては、株式などの源泉分離課税制度の平成13年3月末日廃止=一律26%の申告分離課税制度への移行の前に、「クロス取引」を行って取得価額を引き上げる節税対策が可能です。

既に利用された株主の方もいらっしゃるかと思われます。

(3)ところが、きのう17日の日経朝刊でも報道されましたように、ここへきて、政府・与党の先送り案などにより、申告分離課税への移行そのものが不透明になってきましたので、当面、対策を見合わせるのも一つの選択肢になるかと思われます。

いずれにしても、当局の課税強化の姿勢は変わりませんので、今後の動向は逐次、本誌上でお知らせいたします。 

法人税での新たな規制

(1)一方、法人については、公認会計士協会が監査の基準となる「実務指針」で「クロス取引」による利益操作を封じたことを受け、国税庁も基本通達を改正し、平成12年4月1日以降開始事業年度の取引より、「クロス取引」については「売却がなかったものとして取り扱う。」こととなりました。

このため、株式などを実質的に譲渡しないまま、譲渡損失を計上する節税手法(いわゆる「損出し」)ができなくなりました。

(2)また、12年度改正により、所有区分が「売買目的有価証券」に該当することとなるものについては、期末時価での評価が強制されるので、「クロス取引」を行うこと自体に意味がなくなりました。

(注記)「クロス取引」の詳細は本誌175号、「売買目的有価証券」の詳細は本誌170号をご参照下さい。

株式など有価証券関係については、このところ、改正が頻繁におこなわれますので、特に注意が必要です。詳細は当事務所までお気軽にどうぞ。

なお、FAX NEWSの全バックナンバーを当事務所のホームページに掲載していますので、是非ご活用下さい。

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