国外居住者の相続税
経済のグローバル化、ボーダーレス化に伴い、国境を越えた「人」「財産」の移動が活発になっています。
このような中で、国外居住者が国外の財産を相続、贈与で取得した場合の相続税、贈与税の取り扱いが改正されました。
従前の取り扱い
国外に居住している人が相続などで財産を取得した場合には、日本国内にある財産だけを対象に相続税、贈与税が課せられていました。
そのため、財産を国外に移転し、国外に居住させた子供にこれを相続させるなどの節税手法が一般に紹介されていました。
改正の内容
今回の改正では、一定の国外居住者を「特例納税義務者」として定義付け、国内に住んでいる人と同様に扱い、国内、国外を問わずすべての取得した財産について相続税、贈与税を課すこととなりました。
(1)特例納税義務者
「特例納税義務者」とは、(イ)財産を取得した時に国外に住んでいる人で、(ロ)日本国籍があり、(ハ)その取得者又は被相続人、贈与者のいずれかが相続、贈与前5年以内に国内に住んでいた人をいいます。
したがって、被相続人、贈与者が国内に住んでいれば、財産を取得した人が何年国外に住んでいても、特例納税義務者になってしまいます。
(2)国外財産
国外財産とは、国外の土地など国外にある財産の他、本店が国外にある会社の株式(例えば米マイクロソフト社株式)、国外の支店に預けられている預金(例えば東京三菱銀行パリ支店の預金)が含まれます。
(3)適用時期
この改正は、平成12年4月1日以後の相続、贈与から適用されます。
いわゆる節税商品や節税手法は税制改正により効果を失う可能性を常に持ちます。
税制改正などの情報には注目しておきたいものです。
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