改正雇用保険法

投稿日2001.05.18

4月から改正雇用保険法が施行されております。
身近な話題として、今回のFAX NEWSは改正雇用保険法の概要をお知らせ致します。

改正雇用保険法は、4月からの失業給付者に対しては離職理由により失業手当の給付日数にメリハリを付けようとするものです。

具体的には倒産や解雇などにより離職を余儀なくされた人(非自発的離職者)への給付日数を増やす半面、定年や自発的な離職者への給付日数は減らす内容となっております。

この給付日数の新旧の増減は下表の通りです。

失業手当の給付日数

年齢離職理由被保険者であった期間
1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満自発9090120
(+30)
150
(▲30)
非自発9090120
(+30)
180
30歳以上自発9090120
(▲60)
150
(▲60)
180
(▲30)
45歳未満非自発9090180210240
(+30)
45歳以上自発9090
(▲90)
120
(▲90)
150
(▲90)
180
(▲120)
60歳未満非自発90180240
(+30)
270
(+30)
330
(+30)
60歳以上自発9090
(▲150)
120
(▲180)
150
(▲150)
180
(▲120)
65歳未満非自発90150
(▲90)
180
(▲120)
210
(▲90)
240
(▲60)

(カッコ内は改正前との比較)

上記表からも明らかなように、改正前は離職の理由にかかわらず最長300日分の失業手当が受けられましたが、改正後は定年や自発的な離職などの場合最長でも180日に短縮されました。
半面、倒産や解雇等で失業した非自発的離職者に対しては30日上乗せされ最長は330日とされました。

この他、改正雇用保険法では雇用保険の保険料率が賃金の0.8%(労使折半)から1.2%に引き上げられました。
これにより年収500万円のサラリーマンの場合、本人負担は年間1万円増え3万円となります。

この雇用保険法の改正は、そもそもが破綻寸前の雇用保険財政の建て直しを目的としているため、改正内容は「アメとムチ」どころか、「ムチとムチ」の感は否めませんネ

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(文責-横須賀 博)

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