特定口座と証券税制

投稿日2002.10.08

平成15年1月以降、有価証券譲渡益課税については源泉分離課税が廃止され、申告分離課税に一本化されることになります。(YF-00255参照)
これにより、投資家はこれまでとは異なり原則的に確定申告をする必要がありますが、特定口座を利用した申告不要制度も導入されています。
今回のFAXNEWSは、特定口座と証券税制についてお伝えします。

特定口座とは

証券会社に開設し、この口座を通じて行われた上場株式等の売買損益については、証券会社がその計算を行います。
投資家は、証券会社が作成する年間取引報告書を添付して確定申告を行うか、売買の都度、証券会社に売却益に対する所得税(15%)を源泉徴収してもらい確定申告を不要とするかを毎年、年最初の売却取引までに選択することになります。
なお、地方税(5%)は市区町村からの通知にもとづき別途納付が必要です。

特定口座と優遇措置の関係

税制優遇措置 特定口座内の売却
源泉徴収なしを選択 源泉徴収ありを選択
損失の繰越控除 確定申告が必要 確定申告を行えば適用可能
1年超保有の税率:10%
100万円特別控除
買付1,000万円まで非課税 「特定口座」において売却した後
では確定申告を行っても適用不可能(注)
みなし取得費 「特定口座」において売却した後では確定申告を行っても適用不可能(注)

(注)特例の対象となる残高を特定口座から引き出してから売却することで適用可能。

上記のように、特定口座を利用しても各種優遇措置を適用するためには、確定申告が必要となります。証券会社では既に特定口座の申し込みを受け付けていますが、税制優遇措置の適用をふまえ、慎重に検討する必要がありそうです。
この制度は複雑ですね。

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