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建築基準法の一部改正(「敷地面積の最低限度」規制)

投稿日2003.07.08

建築基準法並びに関連法令等が昨年7月に一部改正され、平成15年1月1日より施行されています。今次改正では、居住環境の改善、適正な土地利用の促進等を主眼として多岐にわたる見直しが行われています。
今回のFAX NEWSは、この改正内容のうち、特に今後一般の住宅にも影響が出てくるとみられる「敷地面積の最低限度」規制についてお伝えします。

「敷地面積の最低限度」規制

ミニ開発や無秩序な開発を防止し、ゆとりのある良好な住宅地の形成を誘導するため、各自治体は最低限度を定めることができます。
敷地面積の最低限度が定められると、最低敷地面積以下の敷地では建築が認められません。従って、敷地の分割が制限されます。
但し、200平米を超える「敷地面積の最低限度」を定めることはできません。

今次改正の内容

これまで、本規制は都市計画法で定める*用途地域のうち、第一種・第二種低層住居専用地域に限定されてきましたが、今次改正により全ての用途地域において適用できることになりました。

*用途地域:都市の土地利用計画の一つで、建築基準法によって建築できる建物の種類、用途等について制限する地域のことです。現在12種類あります。

実際の適用状況等

上記の通り、従来から「敷地面積の最低限度」規制自体の大枠は建築基準法で規定されていましたが、実際に適用するかどうかは各自治体の判断に委ねられていました。
東京都の場合についてみると、これまで原則的には適用されてきませんでしたが、今次建築基準法改正を機に、区市町村単位でそれぞれ他の改正点を含め見直しを検討中です。

*建ぺい率(住宅系)の区分30%40%50%60%
上記区分毎に定める敷地面積の最低限度(案)100平米80平米70平米60平米

*建ぺい率:敷地面積に対する建物の建築面積の割合

不動産(住宅)市場への影響

具体的に上記杉並区の例(見直し案)についてみると、建ぺい率40%の住宅地域において、150平米の敷地を二分割して分譲することは、従来は可能(地区計画による規制等を除く。)でしたが、今後については、分割された一方の土地が80平米以下となりますので、建物の建築が許可されず、分譲は制限されることになります。
一般的に小規模住宅等の不動産の売買においては、通常買主側の資金調達額等に制約があり、単価よりも総額を意識して取引される傾向があります。従って、取引される敷地面積が本規制により相対的に大きくなれば、土地単価を下げることによる総額の調整(抑制)が行われ、土地価格の潜在的な下落要因となる可能性があります。

実施時期等

東京都では、各区市町村の見直し案を調整のうえ、来年6月~7月に告示の予定で準備が進められています。本規制等への対応は各自治体によりまちまちのため、具体的な規制の内容、実施時期等については管轄の役所に確認する必要があります。

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