政治献金と寄附金
3年半振りの衆議院選挙が本日公示されました。11月9日の投票日に向け、日本中が衆議院選一色となりそうです。
選挙と言えば政治献金。
そこで今回のFAX NEWSは、政治献金に係る税法上の取り扱いを取り上げてみました。
個人が支出する政治献金
個人が政党等に対して政治献金(寄附)を支出した時は、確定申告により、下記算式による寄附金控除(所得控除)か税額控除か、どちらか有利な方を選択して適用できます。
寄附金控除額=寄附金の額(総所得金額の25%相当額を限度)-1万円
税額控除額=〔寄附金の額(総所得金額の25%相当額を限度)-1万円〕×30%(所得税額の25%を限度)
所得控除を選択するか税額控除を選択するかの判断基準は、原則として以下の課税所得区分により、
(1)課税所得900万円以下の時は、税額控除選択が有利、
(2)課税所得900万円超~1,800万円以下の時は、いずれを選択しても同じ、
(3)課税所得1,800万円超の時は、所得控除選択が有利、 となります。
なお、これらの優遇を受けられる「政党等に対する寄附」とは、下記に示す五つの団体に対する寄附を言い、(イ)と(ロ)(寄附の制限2,000万円以下)については、所得控除と税額控除の選択適用が可能であり、(ハ)と(ニ)と(ホ)(寄附の制限1,000万円以下)については所得控除のみが適用されます。
(イ)政党
(ロ)政党が自治大臣に届出をしている政治資金団体
(ハ)国会議員が主宰又は主要な構成員になっている団体
(ニ)特定の公職(政令指定都市の市議会議員以上)についている人の後援会
(ホ)これから特定の公職(同)に就こうとする候補者の後援会
なお確定申告書には、総務大臣または選挙管理委員会が、当該寄附が政治資金規正法に違反していない旨を確認した「寄附金(税額)控除のための書類」を添付しなければなりません。
法人が支出する政治献金
法人が支出する政治献金は、他の一般寄附金と同様、損金算入限度額を計算し、それを超える額については所得に加算されます。そればかりか政治資金規正法では、法人の政治献金について資本金の額により量的制限を設けており、又(イ)と(ロ)以外の政治献金は禁止されておりますので注意が必要です。
個人献金を奨励する目的から、個人献金には以上のような課税上の優遇措置が設けられていますが、法人の所得によっては、法人が献金した方が有利な場合もありますので献金の理由等を含め充分な検討が必要です。詳細は当税理士法人まで。
お問い合わせは当ホームページの無料税務相談コーナーからどうぞ。
メルマガ登録はコチラ
当グループでは、メールマガジン「横須賀G通信」を毎月3回発行しています!
会計・税務・不動産に関する最新情報や知らないと損をする情報などをお届けしています!
お申し込みはこちらからお気軽にどうぞ。