土地建物等の譲渡所得の改正案
今回の改正案で平成16年1月1日以後の土地建物等の譲渡所得については、税率を引き下げる減税と同時に、増税項目として土地建物等を譲渡して損失が出た場合、その損失の額は同年度の事業所得や給与所得等との損益通算及び控除しきれなかった損失の翌年以降への繰越ができなくなりました。
ただし、特例として前号(YF-00304)でお伝えした「特定居住用財産の譲渡損失」の二つの制度だけ認められます。
今回のFAX NEWSはこれら居住用以外の土地建物等の譲渡所得に関する改正案についてお伝えします。
<居住用以外の譲渡所得>
平成15年までの譲渡 | 平成16年以後の譲渡 | ||
長期譲渡所得の税率 | 譲渡益の26% (所得税20%・住民税6%) | 譲渡益の20% (所得税15%・住民税5%) | |
短期譲渡所得の税率 | 次のいずれか多い方 (1)譲渡益の52% (所得税40%・住民税12%) (2)全額総合課税をした場合の上積税額の110% | 譲渡益の39% (所得税30%・住民税9%) ※左記の(2)は廃止されました | |
長期譲渡所得の特別控除 | 100万円 | 廃 止 | |
損益通算 | すべての土地建物等が可能 (ただし、別荘等は不可) | できません | |
繰越控除 | 白色申告者 | できません | |
青色申告者 | できます (ただし、別荘等は不可) |
上記のように青色申告者であっても、土地建物等の譲渡損失は他の所得との損益通算及び翌年以降への繰越が、「特定居住用財産の譲渡損失」を除いて認められなくなりました。すなわち一定のマイホーム以外は実質的に切り捨てになってしまうという、節税メリットが全くなくなる増税になっていますので十分注意して下さい。
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