ストックオプションの相続
平成13年の商法改正によりストックオプション(新株予約権)の付与に関する要件が大幅に緩和されました。このため、業績向上に対する役員や社員の意欲や志気を高め、優秀な人材を確保するためのインセンティブプランとしてストックオプションが広く普及しつつあります。
今回のFAX NEWSでは、このストックオプションを相続により取得した場合の課税関係について整理しました。
概要
ストックオプションを相続により取得してからその株式を売却するまでの課税機会は3回あり、各時点における課税は、そのストックオプションが一定の要件を満たす税制適格ストックオプション(YF-00248参照)か、非適格かにより下記のように区分されます。
課税時期 | 課税の態様 | |
適格 | 非適格 | |
相続時 | 相続税が課される | |
購入(権利行使)時 | なし (売却まで課税が繰延) | 所得税 (雑所得)が課される |
株式売却時 | 所得税 (譲渡所得)が課される |
相続時
相続により取得した場合に課税されるべきストックオプションの評価額は下記の算式によります。
ストックオプションの評価額=相続時点の株式の相続税評価額-予め定められた権利行使価額 (マイナスの場合は0とする。) |
ただし、相続時点が権利行使可能期間前でありその相続人がすぐに権利行使できない場合には、権利行使ができるまでの期間等を考慮して個別に評価することとなっています。
購入(権利行使)時
相続人がストックオプションの権利を行使して株式を取得した場合、適格ストックオプションであれば相続人についても本人同様その時点での課税は繰り延べられます。
一方、非適格ストックオプションの場合は、本人であれば権利付与した会社との関係で給与所得、事業所得などになりますが、相続人については雑所得として課税されます。
雑所得の金額=行使時点の株式価額-権利行使価額 |
株式売却時
相続人がストックオプションにより取得した株式を売却した場合は、譲渡所得が課されます。譲渡所得計算上の取得原価は下記の通りです。
適格:権利行使価額 非適格:行使時点の株式価額 |
また、一定の相続財産を譲渡した場合に相続税の一部を取得価額に加算する特例については、ストックオプションそのものの譲渡ではないので適用することができません。
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