法定準備金の減少及びその手続き
欠損が続くと財務状態が悪化し、配当が出来なくなる恐れがありますが、法定準備金(資本準備金と利益準備金)を取り崩すことによって、配当財源を確保することができます。
今回のFAX NEWSは、法定準備金の減少とその手続きについてお伝えします。
法定準備金を減少させる目的
法定準備金を減少させる目的として、以下のようなことがあげられます。
(a) 資本の欠損の填補(注1)
(b) 資本金への組入れ
(c) 配当可能利益の充実(自己株式の取得財源)
(注1) 資本の欠損とは、(資産-負債-土地・株式評価差額)-(資本金+法定準備金)をいいます。
法定準備金の減少手続き
法定準備金の減少手続きは商法で定められており、次のとおりとなります。
目的 | 資本の欠損の填補(a) | 配当可能利益の充実他(a以外) | ||
決議(普通決議) | 定時総会 | 臨時総会 | 定時総会 | 臨時総会 |
減少の限度額 | 欠損金 | 資本金の4分の1を控除した額 | ||
債権者保護の公告 個別催告 決算公告 |
不 要 | 必 要 | ||
配当決議が可能となる時期 | – | – | 翌期の定時総会 | 効力が発生した決算期の定時総会 |
会計仕訳 | 資本準備金 /未処理損失 |
資本準備金 /未処理損失 /その他資本剰余金 |
資本準備金/その他資本剰余金 |
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