不動産投資の行方
昨今、超低金利政策が続く中、日本の投資マネーは少しでも高い利回りを求めて行き場を探し続けています。そして、その高い利回りを実現する手法として、不動産証券化(YF-00318)が多く活用され、昨年度のSPCや投資法人の土地取得価格は一般法人が取得する土地を上回るなど、不動産市場の中でも、ビル・マンションの証券化は確固たる地位を確立しつつあります。しかし、不動産市場への急激な投資の流入は、投資対象となる土地価格の高騰や、ビルの超過供給をもたらし、結果として新たな用地確保を困難にし、投資の利回りを低下させることになるのでは。このような中、これまで主流とされていたビル・マンションの証券化等とは異なった投資の動きが見られ始めましたので、これらの動きの一部をご紹介したいと思います。
病院や老人ホームへの投資拡大の動き
我が国は、少子高齢化といった差し迫った問題に直面しておりますが、その対応は遅れています。このため老人ホーム等に対して投資を行う「ヘルスケアファンド」が有望な投資対象として浮上してきました。老朽化した、或いは資金不足に悩む施設に資金を供給し、投資家に施設利用料を原資に、配当金を支払うというスキームですが、一般の不動産投資に比べて専門知識を有し、リスクも高いと言わざるをえません。ただ、一般の不動産会社単独での運用は困難なことを逆手に、専門分野に特化し、ファンド化・証券化に積極的に取組む企業も多数現れています。
駐車場への投資拡大の動き
国土交通省によると、現在我が国の駐車場需要は約1100万台あるのに対し、収容台数は約500万台と圧倒的に不足しており、車の保有台数も約7689万台で年々増加しています。更に、来年6月には、道路交通法の改正により摘発基準が「一定時間停めた場合」から「駐車即摘発」となることから、駐車場に対する需要は増加すると見込まれています。そこで、参入障壁もほとんど無い駐車場事業への進出が相次ぎ、用地確保の競争が進んでいます。しかし、地価高騰で用地確保が困難となっていることから、証券化の手法を活用して用地を取得する企業も現れているのです。
まとめ
これらの投資は、これまで積極的な投資対象とされなかったものであり、その運用成績は明らかではありません。ただ、社会の変化に伴い不動産の利用形態が変わるのは自然であり、道路に車が溢れ、老後の施設が不足している状況で、ビル・マンションの建設投資ばかりが相次ぐのは感覚的にもおかしなものと思うのですが。
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