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土地を売るならお隣さんへ、土地を買うならお隣さんから

投稿日2006.09.08

国土交通省の土地鑑定委員会は毎年地価公示価格を発表し、合理的な市場下での適正な価格を公示しています。この価格は正常価格と呼ばれます。しかし、お隣さんの土地は借金をしてでも買えとか、倍の値段でも買え、とかいったことを耳にされたことがあるかもしれません。倍というのは行き過ぎかと思いますが、正常価格よりも高い価格を提示しても、当事者間で経済合理性が成り立つことがあります。この価格を限定価格と呼んでいます。今回のFAX NEWSはお隣さんの土地売買の考え方について設例を用いてお伝えします。

(図)

設 例

 Aさんが図のA土地を所有していたとします。この場合AさんがBさんの土地を購入することにより、右側のC土地と同じような性状の土地が得られるはずです。もともとA・B両人の土地を足して2.2億円の土地の価格がいつの間にか2.4億円になるわけですから、Bさんの土地を正常価格の1.2億円よりも高い価格で取得してもメリットがありそうです。
ただ、単純に土地同士を併合すれば価格が上がるというわけではありません。図の設例で土地の価格が0.2億円上昇するのには以下の理由等が挙げられます。

(1)Bさんの土地とAさんの土地を併合すれば、角地となり日照や通風などの住宅地としての居住環境が改善される。商業地であれば、間口が二方向確保され、通行客の視認性も高くなる。
(2)角地となることにより、建ペイ率(敷地面積に対する建築面積の割合)が割増される。
(3)前面道路によって制限される容積率・斜線制限が緩和され、より高い建物の建築が可能となる。
(4)画地規模が大きくなるため、賃貸用建物を建てた際、人気の高い広々としたワンフロアを確保でき、高い賃料が得られる。(収益性の向上が期待できる)

まとめ

このようなことから、通常1.2億円するBさんの土地を、例えば1.3億円で取得しても経済的に売主買主どちらも損をしないことになります。むしろお互いの利益を尊重しながら売買交渉を成立させれば、お互いにとって満足な結果がもたらされることでしょう。ただ、隣地を併合しても必ず増分価値が生ずるとは限りませんし、実際には建物等が建設されていたりして、そう単純には行きません。具体的な評価が必要な場合には、当事務所まで・・・。

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