役員給与の定期同額要件

投稿日2006.10.28

 既報(YF-00379)の通り、平成18年度税制改正では平成18年4月1日以後開始事業年度から役員給与に関する規定が大幅に改正されました。今回のFAX NEWSでは、役員給与の内、特に注意が必要と思われる定期同額給与についてまとめてみました。

新しい役員給与の損金不算入制度

従来の「役員賞与の損金不算入」「過大な役員報酬等の損金不算入」の規定は、今年度の改正により、「役員給与の損金不算入」規定に改められ、役員報酬、役員賞与全般について大幅な要件の見直しがなされました。これによると損金にできる役員給与は(1)定期同額給与(2)税務署への事前確定届出給与(3)主に上場企業を対象とする利益連動給与の3形態のみに限定され、これらに当てはまらないものはすべて損金不算入となりました。
基本的な考え方は、役員給与の損金性の判断を、従来の形式的な支給形態によってではなく、その役員給与額が職務執行前に予め決まっていたか否かによって判断しようというものです。つまり、「役員の職務執行の対価なら予め金額を決めているでしょう、利益を見てから変更したものは賞与ですよ。」という考え方です。

定期同額給与

損金にできる定期同額給与とは、支給時期が1ヶ月以下の一定の期間毎であり、かつ、事業年度中の支給額が同額のものをいいます。これは、その事業年度の最後まで同額の給与であれば予め年間給与総額が定まっていたと考えられるからです。

留意点

イ) 非常勤役員の半年俸

半年毎や1年毎に支払う報酬は定期同額要件を満たさないため、損金不算入となります。この場合、1月毎の報酬に変更するか、事前確定届出給与として税務署へ届出する必要があります。

ロ) 役員給与の改定

役員給与の改定は、期首から3ヶ月以内の1度だけ認められます。したがって、従来のように株主総会で増額改定して期首に遡って追加支給したり、上半期終了後に改定することは認められません。

ハ) その他

期中に役員が交代した場合、例えば、副社長が社長に昇格した場合に期中の昇給はできないのか、役員賞与を支給した場合に定期同額要件が崩れたとして、年間の役員給与全体が否認されるのか、親会社の従業員が子会社に役員として出向した場合の取扱いはどうなるのか、などについては法令だけでは読み切れない点も多いため、通達等の公表を待つしかありません。しかし、すでに進行中の事業年度のことでもあり、一刻も早く明確にしてもらいたいものです。

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