平成19年の地価公示から見た最近の地価動向
国土交通省土地鑑定委員会が先日発表した平成19年1月時点の地価公示によれば、平成18年中における全国の地価変動率は、住宅地+0.1%(前年△2.7%)・商業地+2.3%(前年△2.7%)となり、平成3年地価公示から16年ぶりに全国平均でプラスに転じる結果となりました。今回のFAXNEWS は、バブル期の公示価格(平成3年1月)との比較による地価動向についてお知らせします。
平成18年中の地価変動率
今回発表された地価公示では、大都市の都心部を中心に地価の上昇が加速し、地方中心都市も上昇に転じ始めています。特に東京圏・大阪圏・名古屋圏における地価は確実な上昇基調にあり、都心部においては、マンション開発やオフィス需要の増大、更には不動産投資の拡大の影響もあり、住宅地・商業地とも大幅に上昇しています。
地価公示価格の地域別年間変動率及びバブル期からの累積変動率
用 途 | 住 宅 地 | 商 業 地 | ||||||
変動期間 | H16.1~H17.1 | H17.1~H18.1 | H18.1~H19.1 | H3.1(バブル期)~H19.1※ | H16.1~H17.1 | H17.1~H18.1 | H18.1~H19.1 | H3.1(バブル期)~H19.1※ |
都心3区<平均> 千代田・港・中央 |
+1.7% | +9.9% | +21.2% | △77.3% | +0.7% | +8.0% | +20.6% | △81.5% |
東京23区 | △0.3% | +2.2% | +11.4% | △56.2% | △0.5% | +3.7% | +15.9% | △76.9% |
東京圏 | △3.2% | △0.9% | +3.6% | △57.3% | △2.5% | +1.0% | +9.4% | △77.0% |
大阪圏 | △5.2% | △1.6% | +1.8% | △67.3% | △5.0% | +0.8% | +8.3% | △84.2% |
名古屋圏 | △3.3% | △1.3% | +1.7% | △43.0% | △3.3% | +0.9% | +7.8% | △70.0% |
バブル経済崩壊から今日までの累積下落率
各地区におけるバブル経済崩壊から今日までの地価の累積下落率を調べてみたところ、上表※の通りとなりました。商業地を例に取ると、地価は平成3年から概ね70%~80%下落しており、バブル期の2割~3割程度の水準であることが伺えます。土地鑑定委員会は地価公示発表に際し、都心部の一部の取引の中には、合理的には説明がつかないほど高い取引の事例も散見された、と警戒の姿勢を示していますが、バブル期とは異なり、既に一度土地神話が崩壊していること、地価の急上昇は収益性・利便性の高い一部の地域で生じていることから、今のところ、バブル期とは若干様相が異なると考えられます。
尚、各地方及び東京23区におけるバブル期から16年間のこれまでの地価の変動を示した詳細は、当社ホームページ(https://www.yokosuka.jp/)に掲載しておりますので、どうぞご覧下さい。
結び
大都市を中心に地価上昇が加速していますが、地方では都市部へ人口が流出し、未だ下落傾向から脱却しきれていません。地価は、地域の盛衰動向によっても左右され、競争力の高い地域は上昇し、競争力の低い地域は下落する傾向が今後も続きそうな気がします。そんな中でも、地域独自の活性化策により地価上昇がみられた地点がいくつかありました。今後、このような街づくりに対する積極的な取り組みがなされ、活気のある地方が再生することを期待してやみません。
お問い合わせは当ホームページの無料税務相談コーナーからどうぞ。
メルマガ登録はコチラ
当グループでは、メールマガジン「横須賀G通信」を毎月3回発行しています!
会計・税務・不動産に関する最新情報や知らないと損をする情報などをお届けしています!
お申し込みはこちらからお気軽にどうぞ。