地震保険料控除の経過措置
年末調整の時期が近づいてきました。昨年と比べて変更となった点として、YF-00401でお伝えしましたが、地震保険料控除があげられます。今回のFAX NEWS は、地震保険料控除の経過措置に関して、具体的な計算例を基に説明します。
控除額の計算例
【設例】
以下の3つの損害保険契約をしている場合、所得税の地震保険料控除額はいくらになるでしょうか。
契約1 旧長期損害保険料(15,000円)+ 地震保険(10,000円)
契約2 旧長期損害保険料(20,000円)
契約3 短期損害保険料 ( 8,000円)+ 地震保険( 6,000円)
※旧長期損害保険料とは、平成18年12月末日までに契約した保険期間10年以上の満期返戻金のある保険契約です。経過措置として地震保険料控除の対象とすることができます。
【回答】
契約1は、一つの損害保険契約で、旧長期損害保険料と地震保険料を支払っているので、「長期損害保険契約の経過措置(従来の損害保険料控除)」または「地震保険料控除」のどちらか一方の控除を選択することになります。
契約2は、「長期損害保険契約の経過措置(従来の損害保険料控除)」のみ適用となります。
契約3の短期損害保険料の部分は、控除額の計算から除外されます。
そこで、以下の2つの考え方があります。
(1) | 契約1 | 旧長期損害保険料を適用 | 15,000 | 合算すると35,000>20,000 | 15,000円 |
契約2 | 旧長期損害保険料を適用 | 20,000 | |||
契約3 | 地震保険料を適用 | 6,000円 | |||
控除額合計 | 21,000円 | ||||
(2) | 契約1 | 地震保険料を適用 | 10,000円 | ||
契約2 | 旧長期損害保険料を適用 | 20,000×1/2+5,000=15,000 | 15,000円 | ||
契約3 | 地震保険料を適用 | 6,000円 | |||
控除額合計 | 31,000円 |
よって、(2)の方が、(1)より10,000円控除額が多く、有利となります。
注意点
上記のように、契約や適用方法によって、控除額に差異が生じる場合があります。有利な控除額を選択できるようにご注意ください。
途中で地震保険を付帯する場合、契約している長期損害保険契約に係る損害保険料の額に変更がなければ、契約内容の変更にはあたらず、旧長期損害保険料に該当します。新たな地震保険の加入をご検討されている方は、この経過措置をうまく利用されたらいかがでしょうか。
詳しくは当税理士法人まで。
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