平成20年の地価公示から見た最近の地価動向
国土交通省土地鑑定委員会が先日発表した平成20年1月時点の地価公示によれば、平成19年中における全国の地価変動率は、住宅地+1.3%(前年+0.1%)・商業地+3.8%(前年+2.3%)となり、昨年16年ぶりに全国平均の地価が上昇に転じてから、2年連続で上昇したことになります。
今回発表された地価公示の特徴は、三大都市圏において平均で上昇幅が拡大したものの、都心部を中心に上昇幅が縮小する地点が現れたことです。また、地方圏においては下落幅が縮小した地点が多く見られましたが、依然として下落地点が多数を占める状態であることに変わりはありません。今回のFAXNEWS は、過去の地価公示価格のピークであった平成3年(バブル後期)との比較による地価動向について考察します。
地価公示価格の地域別年間変動率及び平成3年からの累積変動率
用 途 | 住 宅 地 | 商 業 地 変 動 率 | ||||||||
変動率 | 累積 | 年 間 変 動 率 | 累積 | 累積 | 年 間 変 動 率 | 累積 | ||||
変 動 期 間 |
H3.1~ H17.1 |
H17.1~ H18.1 |
H18.1~ H19.1 |
H19.1~ H20.1 |
H3.1~ H20.1 |
H3.1~ H17.1 |
H17.1~ H18.1 |
H18.1~ H19.1 |
H19.1~ H20.1 |
H3.1~ H20.1 |
都心3区 | △83.1% | +9.9% | +21.2% | +16.6% | △73.5% | △85.8% | +8.0% | +20.6% | +19.1% | △78.0% |
東 京 圏 | △58.4% | △0.9% | +3.6% | +5.5% | △55.0% | △79.2% | +1.0% | +9.4% | +12.2% | △74.2% |
大 阪 圏 | △67.4% | △1.6% | +1.8% | +2.7% | △66.4% | △85.5% | +0.8% | +8.3% | +7.2% | △83.1% |
名古屋圏 | △43.3% | △1.3% | +1.7% | +2.8% | △41.4% | △72.4% | +0.9% | +7.8% | +8.4% | △67.5% |
全 国 | △45.8% | △2.7% | +0.1% | +1.3% | △46.5% | △69.3% | △2.7% | +2.3% | +3.8% | △68.2% |
過去の地価公示価格のピークから今日までの累積下落率
各地域における地価公示価格のピークから今日までの地価の累積下落率を調べてみたところ、上表の通りとなりました。例えば、都心3区(千代田・中央・港)を例に取ると、平成3年に比べ概ね70%~80%累積で下落している状態となっています。これを踏まえると、都心3区の地価公示価格は、ピーク時(平成3年)の概ね2割~3割の水準であるといえます。
全国の地価も2年連続で上昇し、ピーク時との差を見ていると、まだまだ上昇の余地があるようにも見えます。ただ、国土交通省は昨年露呈したサブプライムローン問題の影響でしょうか、「昨年後半には三大都市圏等を中心に上昇基調の鈍化がみられ、今後の地価動向の先行きについては、景気・金利動向、需給バランスの動向、内外投資家の動向の影響などに留意すべき」といったコメントを述べており、やや消極的な見方を示しています。
地価の先行きについては不透明と言わざるを得ませんね。
尚、各都市圏及び東京23区における平成3年から17年間のこれまでの地価の推移を示した詳細は、当社ホームページ(https://www.yokosuka.jp/)に掲載しておりますので、どうぞご覧下さい。
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