役員給与の減額改訂
100年に一度とも言われる大不況の中、やむを得ず役員の給与を減額しようという会社が増えています。法人税法では基本的に役員給与を期の途中で減少させると利益調整ということで減少後と減少前の給与の差額が損金不算入になるのですが、業績悪化事由があれば損金算入できることになっています。
では、業績悪化事由とは具体的にどういうことを言うのか、国税庁の考えがわかるQ&Aが昨年末に公表されましたので内容を簡単にご紹介します。
【具体例】
国税庁が具体的に参考として公表しているのは以下の3つの事例です。
1. | 株主との関係上、業績や財務状況の悪化についての役員としての経営上の責任から減額せざるを得ない場合 |
2. | 取引銀行との間で行われる借入金返済のリスケジュールの協議において、減額をせざるを得ない場合 |
3. | 業績や財務状況または資金繰りが悪化したため、取引先等の利害関係者からの信用を維持、確保する必要性から、経営状況の改善を図るための計画が策定され、この中に役員給与の減額が盛り込まれた場合 |
【注意点】
1について・・・ | 公開会社や不特定多数の株主が存在する会社であれば、株主との関係上ということに客観性があるので一般的に認められやすいと思われますが、株主イコール社長のような同族会社の場合には、減額せざるを得ないような客観的かつ特別な事情を明確にしておく必要があります。 |
2について・・・ | 取引銀行との協議の経緯等を書面で残しておいたほうが後日の説明で役に立ちます。 |
3について・・・ | 現状のままでは経営に支障をきたす恐れがあり、役員給与を減額した経営計画を作成しないと取引先等の信用を得られないような場合が該当します。利益計画等の作成、保存が重要になります。 |
【まとめ】
国税庁が懸念しているのは、役員給与が利益調整として使われるということです。納税者の側としては、給与の減額が決して利益調整ではない、客観的な事由によりやむを得ず減額したということの立証が必要になります。上記は参考例ですが、税務調査等で将来問題にならないように、客観的な事由があり、恣意的ではないことを文書で明らかにしておくことが必要です。
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