事業承継税制(3)
経営承継円滑化法を基に創設された事業承継税制は既報(YF- 00457、YF- 00484参照)の通りですが、生前贈与による事業承継促進の観点から、相続税の納税猶予制度だけでなく、今回新たに「非上場株式等についての贈与税の納税猶予制度」も併せて創設されました。
そこで今回のFAX NEWS は、贈与税の納税猶予制度についてお伝えします。
猶予制度の概要
経済産業大臣の確認を受けた後に、後継者が非上場株式等(議決権に制限のないものに限る)を先代経営者から一括で贈与を受け、その会社を経営していく場合には、その後継者が納税すべき贈与税のうち、発行済議決権株式総数の2/3以下の部分についての贈与税額が全額納税猶予されます。(平成21年4月1日以降の贈与から適用)
贈与前 | → (確認) | 贈与 | → (認定) | 申告 | → (継続届出書) | 継続保有(5年間) |
猶予制度を受けるための主な要件
(1) 認定対象会社 | (イ) 中小企業基本法の中小企業であり、非上場会社であること (ロ) 資産管理会社に該当しないこと 等 |
(2) 後継者 (受贈者) | (イ) 会社の代表者であり、先代経営者の親族であること (ロ) 20歳以上であり、かつ、役員就任から3年以上経過していること (ハ) 後継者と同族関係者で発行済議決権株式総数の50%超の株式を保有、かつ、同族内で筆頭株主となる場合 |
(3) 先代経営者 (贈与者) | (イ) 会社の代表者であったこと、及び贈与の時までに役員を退任すること (ロ) 贈与直前において、先代経営者と同族関係者で発行済議決権株式総数の50%超の株式を保有、かつ、同族内で筆頭株主であった場合 |
(4) 担保の提供 | 贈与税額及び利子税の額に見合う担保を税務署に提供すること |
留意点
(1) | 贈与税申告期限から5年間の事業継続要件を満たすことが必要になります。 | |
要件 | (イ) 後継者が代表者であること。 | |
(ロ) 雇用の8割以上を維持すること。 | ||
(ハ) 贈与された対象株式を継続保有すること。 | ||
(2) | 先代経営者(贈与者)が死亡した場合、対象株式は贈与時の価額により他の相続財産と合算して相続税を計算しますが、一定の条件を満たしている場合は、引き続き相続税の納税猶予の適用を受けることができますので、その後も事業を継続し、死亡時まで株式を保有し続ければ、最終的に猶予税額の納付が免除されます。 |
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