平成22年地価公示の発表によせて
地価公示の役割
毎年3月の下旬に発表される地価公示価格は、全国2,800余名の不動産鑑定士が全国で27,804地点の標準的画地を鑑定評価し、その結果を国土交通省内の土地鑑定委員会が発表するものです。
個々の不動産の収益性等にも着目している地価公示価格は、当初土地取引の指標としての役割を演出する目的でしたが、最近では固定資産税や相続税の課税標準額の基となる役割のほか、司法競売や不動産証券化、更には企業会計上の時価評価等多面的な役割を演ずることとなり、重要な経済指標の役割も担っています。
平成22年地価公示の結果と特徴
以上のような役割を演ずる平成22年地価公示の結果は下表のとおりです。特に、東京では、港区新橋、渋谷区神宮前、中央区銀座といった名だたる商業地において25%を超える下落となっています。
しかし、仮に10年を一昔としてその地価を比較すると、平成12年の東京都23特別区商業地の地価平均は\1,578,600/平米であるのに対し、平成22年のそれは\2,075,300/平米ですから長期的には上昇傾向にあると言えましょう。
【地価公示の圏域別年間変動率】
住宅地(前年比) | 商業地(前年比) | |||
平成21年 | 平成22年 | 平成21年 | 平成22年 | |
全 国 | ▲3.2% | ▲4.2% | ▲4.7% | ▲6.1% |
東 京 圏 | ▲4.4% | ▲4.9% | ▲6.1% | ▲7.3% |
大 阪 圏 | ▲2.0% | ▲4.8% | ▲3.3% | ▲7.4% |
名古屋圏 | ▲2.8% | ▲2.5% | ▲5.9% | ▲6.1% |
三大都市圏 | ▲3.5% | ▲4.5% | ▲5.4% | ▲7.1% |
地 方 圏 | ▲2.8% | ▲3.8% | ▲4.2% | ▲5.3% |
むすび
上記のような全国的な下落局面のなかでも、地下鉄延伸による利便性向上が見込まれる名古屋市緑区、先端健康産業の集積が進む静岡県長泉町などでは、地価上昇が見られます。
一刻も早い景気回復による需要増加が待たれますが、供給サイドによる需要創出のための地道な努力(街づくり、市街地整備、交通基盤の整備など)の必要性が高まっているようです。
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