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子会社が解散した場合の取扱い

投稿日2010.05.28

平成22年度税制改正では既報の通りグループ法人間の損益の取扱いが大きく見直されました。そして、その一環として完全支配関係がある子会社が解散した場合の取扱いについても大幅な改正が行われました。

今回のFAX NEWS では、完全支配関係がある子会社が解散した場合の親会社の子会社株式消滅損、子会社の未処理欠損金の処理についてお伝えします。

概要

従来、子会社が解散した場合、親会社は「子会社株式の帳簿価額」と「残余財産分配額」との差額をみなし配当又は譲渡損益として認識していました。しかし、今回の改正により完全支配関係がある子会社が解散した場合には、譲渡損益を認識しないこととされました

また、従来は子会社の未処理欠損金額は切り捨てられていましたが、今回の改正により完全支配関係が5年超である場合など一定の未処理欠損金は親会社へ引継がれることとなりました

つまり完全子会社が解散して残余財産の分配を受けても、グループ全体から見れば実質は何も変わっていないと考えられるのでその損益を認識せず、また、子会社の作った欠損金も最初からグループ全体が作ったものと考え、解散後も親会社で利用可能にしようとするものです。

改正後の取扱いは、平成22年10月1日以後に解散決議した会社から適用されます。

具体例

例えば、親会社の保有する子会社株式の帳簿価額が10,000千円として、この子会社が事業に失敗した等の理由により解散し、残余財産の分配が2,000千円あり、清算結了時に子会社に税務上の未処理欠損金が5,000千円あったとします。この場合の親会社の処理は下記の通りとなります。

<親会社の仕訳>

現金 2,000 / 子会社株式 10,000
子会社株式消滅損 8,000      
解散日 H22.9.30以前 H22.10.1以後
子会社株式消滅損 8,000 損金算入 損金不算入
子会社の未処理欠損金 5,000 切り捨て 親会社へ引き継ぎ

解散を検討中の子会社がある場合、上記のように「解散の日」によって親会社での税務上の取扱いが大きく異なります。

解散により予想される消滅損の額と未処理欠損金の額との比較、未処理欠損金の利用期限や親会社の収益の状況などを総合的に勘案して有利不利を慎重に検討する必要があります。

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