賃貸住宅への｢めやす賃料｣表示制度の導入について

(財)日本賃貸住宅管理協会は平成22年の秋より、賃貸住宅に｢めやす賃料｣表示制度を導入すると発表しました。
そこで、今回のＦＡＸ　ＮＥＷＳは｢めやす賃料｣表示制度についてお知らせします。

｢めやす賃料｣表示制度の概要

(1) 導入の背景

賃貸住宅の賃貸借契約においては、更新料の有無に代表されるように全国各地で商慣
習が異なるため、実際に借主が入居期間中に支払う金額が分かりにくく、トラブル発生の要因となっていました。そこで、全国一律に同じ基準で計算される賃料表示の必要性が生じました。この賃料表示により、借主が賃貸借期間中に支払うべき金額が明らかになり、他の物件との比較も容易となるため、紛争の未然防止にも役立つと期待されています。

(2) ｢めやす賃料｣の定義

｢めやす賃料｣とは、賃料、共益費(管理費)、敷引金(敷金･保証金の償却等の預り金から必ず差し引く部分)、礼金、更新料を含み、賃貸条件等の改定がないものとして4年間(48ヶ月)賃借した場合(定期借家の場合は契約期間)の1ヶ月当たりの金額とされています。

(3) ｢めやす賃料｣の計算例

賃料75,000円、共益費3,000円、敷引金0円、礼金1ヶ月、更新料1ヶ月、2年契約の場合の｢めやす賃料｣は下記の通り、81,125円となります。

(4) 表示の方法

募集広告への表記のほか、重要事項説明書への記載も予定されています。　

むすび

｢めやす賃料｣の表示により、借主は物件を選択する際により適切な判断が可能となるでしょう。なお、｢めやす賃料｣は不動産鑑定評価による賃料と同一ではありません。このために、適正な不動産の賃料評価が必要なときは、不動産の鑑定評価が安全です。

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