被災地域における建築制限について
平成23年3月11日に発生した東日本大震災から間もなく2ヶ月が経とうとしています。家族や住まい等を失った被災地域の方々のお気持ちを考えると胸が痛んでなりません。そんな中、甚大な被害を受けた宮城県気仙沼市や東松島市等の被災地域においては、早々に県より建築制限を行う旨が発表されました。
そこで、今回のFAX NEWSは「被災地域における建築制限」についてお知らせします。
根拠となる法律
被災地域における建築制限の根拠となる法律は、建築基準法第84条です。同法を要約すると「都道府県知事等は、市街地に災害があった場合、都市計画又は土地区画整理法による土地区画整理事業のために必要があるときは、区域を指定し、災害が発生した日から1ヶ月以内に限り、(公益や復興事業に必要な建物以外の)建築を制限することができる。その期間はさらに1ヶ月延長できる。」と規定されています。
すなわち、復旧・復興のための無秩序な建築を防止する観点から、震災が発生した3月11日~5月11日までの2ヶ月間は、建築制限を受けることになります。
建築基準法第84条の限界
今回のような甚大な災害の場合、県が住みよい街づくりの復興計画を2ヶ月間で策定することは困難であり、建築基準法第84条の規定のみでは限界が生じることとなります。
そのため、政府は、4月22日に「震災発生から最長で8ヶ月間建築制限を可能」とする特例法案を閣議決定し、今国会に提出する予定です。予定通り国会で成立すれば、同法第84条の建築制限の切れる5月11日までには立法化されるとのことです。なお、この特例法案は同法第84条を改正するものではなく、今回に限って特例的に適用されるものです。立法化された場合には同法第84条に優先して適用されることとなります。
この特例法案の立法化により、3月11日~11月11まで建築制限を受けることになります。
むすび
住み慣れた土地に一刻も早く帰りたいと願う被災地域の方々には、8ヶ月間は非常に長い期間であると思います。そのような方々の深い悲しみが笑顔に変わるように、自治体ばかりでなく、我々不動産鑑定士をはじめ多く専門家等が知恵を絞り、新しい街づくりに協力すべきと考えます。
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