繁華街の店舗レンタルの動向
震災や金融危機の影響もあって、多くの店舗が苦境に立たされています。店舗の賃貸管理の現場をみても、撤退が目立ち、新規の入居に関する問い合わせも低迷しているようです。ただ、こんな中でも、入居の問い合わせがちらほらと出てきた、という物件も多いようです。こんなに多くの店舗が廃業している最中に開業を?と思う方もいるかもしれませんね。そこで、今回のFAXNEWSでは、繁華街でみられる最近の店舗レンタルの動向についてお伝えしたいと思います。
これまでの店舗の契約形態の主流「通常の貸店舗(スケルトン貸)」
これまでは、借主が思い通りのデザインで店作りをできるように、コンクリートむき出しの状態で貸し、内装や設備が無い分、家賃を安く設定する「スケルトン貸」が店舗賃貸の主流でした。ただ、借主から見れば、内装等の初期費用が膨大となることと、撤退時に付加した内装や設備を撤去し、スケルトンの状態に戻さなければならないというデメリットがあります。このため不況での開業には、二の足を踏むことが多くなります。
最近の店舗の契約形態の主流「居抜き店舗」
今日、店舗の撤退時にスケルトン状態に戻す余力がある借主は少なく、また、内装や設備を新たに造作し直す余力のある新借主も多くありません。そのため、かつて使われていた内装や設備をそのまま、次の借主に引き継ぐ「居抜き店舗」の需要が非常に高まっています。
この形態により、撤退者は原状回復費用の負担を免れることができ、新しい借主は開業費を大幅に減らすことができます。特に最近閉店している飲食店の多くは、数年前のミニバブル期に開業したものが多いといわれますので、その新しい設備をそのまま使い、初期費用を抑える例がみられます。更に、ノウハウが詰まった設備等をそっくり引き継ぐことで、既存店舗のノウハウやお客様まで取り込むケースもみられます。
最近増加しているお店の契約形態「リース店舗」
一方で、上記の居抜き店舗は、かつて撤退した前例があるわけですから、必ずしも競争力が高い物件とは限りません。特に、古いテナントが入っているビルでは、内装や設備の多くが陳腐化しています。そこで、「リース店舗」という選択肢が浮上してきます。
これは貸主が、既存の空き店舗の内装を最近のトレンドに合ったお店にリニューアルして、競争力ある店舗に仕上げてから、内装・設備費込み店舗としてリースする契約であり、昨今急速に増えてきています。
家賃に設備等のリース料が上乗せとなりますが、開業時の膨大な造作費用がかからない上、解約時にスケルトン貸や居抜き店舗等で生じる撤去費が発生しないメリットがあります。先が読めない経済状況において、負担無く開業・閉店ができることは借主の安心感につながっているようです。いつの世も貸主・借主の共存共栄の精神は不可欠ということですね。
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