高齢化時代に資産となるビル・負債となるビル
資産の定義のいろいろ
「資産」という言葉の定義は様々ですが、一般的には現金や建物、土地など、売ったらお金になる財産(将来企業等に利益をもたらす可能性のあるもので、かつ貨幣額で評価できるもの)という定義が多いと思います。
しかし、10年ほど前に発刊されたベストセラーに、『金持ち父さん貧乏父さん』という本がありましたが、この本では、キャッシュフローに着目し、
・「資産とは、あなたのポケットにお金を入れてくれるもの」
・「負債とは、あなたのポケットからお金を奪っていくもの」と定義づけています。
この定義によれば、戸建住宅や古い不人気の貸ビルは、家賃収入はありませんし、反対に維持費・修繕費・固定資産税等がかかるなど、持っていても「あなたのポケットからお金を奪っていくもの」であり、「負債」であるという訳です。
もちろん、売ればお金に換えられるでしょうし、異論もありますが、この考え方は今後のビル経営のなかでは非常に重要な要素といえます。
ビル賃貸経営について必要な資産の考え方
我が国では、人々が高齢化するのと同様に、それぞれの高齢者が全盛期に建てた高齢ビルが多く存在しています。ビルのオーナー次第ではありますが、古いにも拘らず、修繕をせず、設備の取替も殆どしない例がみられます。
これまでの高度経済成長期はそれでも安定収入を得られたのですが、経済が縮小し、グレードの高い新築ビルでも賃料が値ごろとなっている中、競争力の低下により、古い形態のビル賃料は右肩下がりです。躯体も脆弱となり、耐震性もそれほど高くありませんし、これまで支障なく稼動してきた設備もやがては壊れます。
そのため高齢ビルのオーナーは、将来家賃収入が減る一方で、建物の維持費・修繕費・設備の取替・耐震化費用あるいは建物取壊費用等、支出は嵩んでくる可能性があります。
従って、これまで安定収入であったからといって、そのまま同様の方法で賃貸して、老後の支えにと考えたとしても、老後には家賃収入は少なくなり、ビル経営は「あなたのポケットからお金を奪っていく」かもしれません。
人もそうですが、ビルも高齢化している時代です。高齢ビルは余力があるうちに、耐震化や新築同様に外観をイメージチェンジすること、更には機能面でも最新の断熱性能・省エネ性能・OA化や水周りを充実させるなど、今のテナントの使い勝手を考慮してあげる、その気持ちが、将来も「資産」として維持されるビルオーナーの秘訣ではないかと考えます。
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