株式評価方法の一部改正
非上場会社で従業員数が100名以上等、税務上の大会社の要件を満たす会社の株式は、相続や贈与の際、類似業種比準方式により一般的に低い価格で評価することが可能です。
ただし、大会社であっても、その会社が保有する株式の保有割合(株式評価額÷総資産)が25%以上の場合には株式保有特定会社として類似業種比準方式を適用できませんでしたが、先月この株式保有割合25%以上という基準が50%以上に引き上げられました。そこで今回のFAX NEWSでは株式の評価方法の基本と改正内容についてお知らせします。
類似業種比準方式とは
国税庁は年に数回、上場会社の事業内容等をもとに算定した業種別、月別の一株当たり配当、利益、純資産価額を評価通達として公表しています(国税庁のホームページに掲載されています)。自社の株式を評価するに当たり、自社と同じ業界のデータを選択し、自社のデータと比較して株式評価額を求める方法が類似業種比準方式です。
純資産価額方式とは
自社の貸借対照表に計上されている資産、負債を時価評価して求めた純資産価額を株式評価額とする方式です。
内部留保が厚い会社、不動産や株式等に含み益がある会社等は一般的に純資産価額が高くなりがちです。税務上の大会社に該当し、類似業種比準方式で評価できれば評価額を落とし、相続税や贈与税の節税につなげることが可能です。
改正前の取扱い
類似業種比準方式を適用できる会社であっても、総資産に占める保有株式の割合が25%以上の場合には純資産価額方式等不利な評価をせざるを得ませんでした。
改正点
株式の保有割合が25%という基準は合理的でないと納税者が国を相手に争った裁判があり、東京高裁は平成25年2月にその訴えを認めました。国税庁はこの判決を基に最終的に平成25年5月27日、株式保有割合が50%以上の場合には類似業種比準方式を適用できないという通達に改めました。つまり株式保有割合が25%以上50%未満の会社はこれまで不可能であった類似業種比準方式を適用できることになりました。
今後の対応
通達の改正は、平成25年5月ですが、過去に25%の基準で申告していたために納税が過大となっている場合、相続については法定申告期限から5年、贈与については6年経過していなければ更正の請求を行うことが可能です。ただし、この取り扱いの変更を知った日から2月以内に行う必要があります。
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