大家さんの受け取る賃料と統計賃料のギャップ
都心のマンションや事務所ビルの大家さんから、「新聞等では統計賃料が上昇したり、空室率が改善していると報道されるのに、うちのビルの賃料は上がらないの?空室は埋まらないの?」と聞かれることがあります。
確かに、昔から物件を所有している大家さんのビルの賃料は上がるどころか、下がっていることもありますので、統計とのギャップに戸惑うこともあるでしょう。
今回のFAX NEWSでは、大家さんの受け取る賃料と統計賃料のギャップについてお伝えします。
ギャップの原因
このギャップの原因の大半は、新聞等の統計データは「新築物件が次々と誕生している市場全体の平均賃料」だったり、簡単にデータを得やすい「築浅物件が過半を占める大規模ビルの平均賃料」を用いているのに対し、その大家さんの所有している建物は年々劣化しているためです。
新しいマンションや事務所ビルが、次々と供給される中で、中小規模の大家さんの所有している建物は、否応なく市場全体の中では見劣りする物件となっていきます。特に、ここ十数年の設備の進歩はめざましく、それ以前の物件と新築の物件は明らかに「モノ」が違ってきています。
新築物件の具体例
例えば、新築のマンションの多くは、トイレにはウォシュレットがついており、浴室には乾燥機があったりします。台所はシステムキッチンとなり、空調や照明は省エネタイプで高機能のため、光熱費を抑えながら、快適な生活ができるようになっています。
防犯カメラが設置されていたり、インターホンはカメラ付、宅配ボックスなどの気配りがあるなど、セキュリティーも向上しています。床や壁の防音性能や防汚・消臭機能も大きくレベルアップしています。
まとめ
これらの最新の設備や機能を導入するためには当然、相当のお金がかけられています。従って、超過供給と言われる中でも、新築ビルの統計賃料が上昇し、人気がそちらに集中して、統計上の空室率が低下するのは自然なことといえます。
こういう状況の中で、昔ながらの「地域の賃料水準」=「自分の物件の賃料水準」という感覚で、「賃料の平均は上がっているから、自分の物件の賃料も上がるはずだ!空室も埋まるはずだ!」と期待していると、結果として現実とのギャップに戸惑うことになります。
このようなギャップを是正するには、お金をかけて建物の設備・機能を新築物件並みにレベルアップしていく努力が必須です。アベノミクスだ!物価上昇だ!といわれますが、努力の結果であって、努力なくして賃料が上がる時代は残念ながら過ぎてしまったと言えるでしょう。
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