検査済証のない建物に朗報
建築基準法では、建物の完成時に完了検査を受け、建築確認申請通りに建物が完成したことを証明する「検査済証」の交付を受けることになっています。
しかし、残念ながら国内の中古建物には「検査済証」のない建物が非常に多く存在します。ところが、検査済証が無い建物は、建物の用途変更や増改築ができず、またコンプライアンスの問題から賃貸に支障をきたしたり、金融機関から融資が下りにくかったりしていました。
この状況を改善すべく、平成26年7月に国土交通省より検査済証のない建物の円滑な取引を促すため、ガイドライン(※)が公表されました。今回のFAX NEWSは、このガイドラインについてお知らせします。
(※)検査済証のない建物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン
検査済証のない建物を調査するためのガイドラインの内容(抜粋)
(1)対象建物 | 木造・鉄筋コンクリート造・鉄筋造の建築物全てが対象 |
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(2)適合調査に必要な書類 | 建築確認図書(確認済証及びその添付図書) |
(3)調査方法 | 新築に係る「完了検査に関する指針」(=目視、計測、動作確認)をベースに、調査者である指定確認検査機関(一級建築士等・建築基準適合判定資格者)が建築物が建築確認図書の通りの状態であることについて適合状況を調査。 |
(4)責任の範囲 | 調査者が目視等により現地確認できる範囲において責任を負う。 なお、ガイドラインの詳細は国土交通省ホームページ内の http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000488.htmlを参照ください。 |
むすび
これまで完了検査を受けていない建物は、事後的に検査済証を取得することはできませんでした。しかし、今後はこのガイドラインに沿った報告書が検査済証と同等の位置付けになるため、これまでは用途変更や増築が法的に困難であった建物の増改築や用途変更が進むのではないかと期待されます。
また、検査済証が無いために、賃貸借契約が結ばれなかったり、金融機関の融資が下りないといったケースも減っていくものと見込まれます。ただ、今後は違法なものまで認められることがないよう、調査者の研修体制や制度の遵守が重要になるのではないでしょうか。
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