飲食店テナントの事業承継の新たな形
経年と共に、ビルは老朽化していくのは当然のことですが、それと同じようにテナントも高齢化していきます。事業をうまく承継できる場合もあるかもしれませんが、飲食店の多くは引き継ぐ人が見当たらず、一定時点で退去等に至るケースが多いのが実情です。
テナントの新陳代謝は、賃貸業では必要な事とされているのですが、ビルで培われた人脈・ノウハウが承継されず、毎度閉店と同時に捨て去られる状況に、違和感を覚えたことはありませんか??
1.テナントの事情
若いうちは月額単位で賃料を払うだけの働きができたとしても、年を重ねるに従い無理が効かなくなり、お客さんも減少してくるものです。そういった中で、月の半分だけなら家賃を払えたのに!週に数日だけならお店に出られるのだけれども!などと言いながら、ビルを去っていく方々を見受けます。
しかし、そういった方々の現状を踏まえながらも、打つ手がなく、退去と同時に職を失うケースも多いのです。
2.ビルオーナーの事情
ビルオーナー側は、これまでは、月単位でお店を張れなくなった以上、「退去も致し方なし」と、割り切っていました。
しかし、飲食店事業者の活力が低下している昨今において、次のテナントが運営に苦戦すれば、また退去となり、テナントを募集し続けていかなければなりません。
3.双方にメリットを見出す方策
元テナント(OB・OG)が開拓した顧客・ノウハウを次のテナントに承継してあげ、次テナントの負担を軽減すること、併せて去っていく元テナントの引退後の「生活の糧」や「生き甲斐」を得る機会を作っていくことも、ビル賃貸事業者としての社会的役割のような気がしています。
そこで、先ずは当社が運営する「銀座BAR縁」で、銀座を泣く泣く去っていく方々にも、週1日単位、月1日単位で若いスタッフ達と共に「一日店長」として働ける制度を設けました。
「一日だけ」という形でOB・OGの皆様に「その日の顔」として集客・接客に注力して頂ければ、大概満席となるものです。その結果、売上が目標値を上回った部分を「一日店長」と「ビル側店舗」で折半し、お互いが生活の糧を得ることができる仕組みにしています。
一日店長に活躍して頂ければ頂くほど、双方の取り分は増え、活躍するOB・OGをお手本とすることによって、人脈・ノウハウがビルに蓄積されて行きます。
そんな少子・高齢化を視野に入れた、事業承継の新たな形を、横須賀ビルでは試行しています。
詳しい仕組みは、ホームページ銀座BAR縁 一日店長からどうぞ。
(文責-横須賀博・林達郎)
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