建築費の推移
日本経済は堅調な状況にあり「バブル期以来の高(低)水準」「○○ぶりの高(低)水準」といった文言がメディア等で見受けられる機会が多くなりました。有効求人倍率はバブル期以来の高水準の1.52倍、完全失業率も約43年ぶりの2.8%の低水準と労働市場の雇用は着実に改善傾向の状況にあります。
一方、人手不足感は一段と高まっており、各業種においてマイナスの影響が見受けられはじめています。そこで今回は、特にこの影響を受けていると言われる建設業の「建築費の推移」についてお知らせします。
建築費の推移
総務省統計局「(全国)構造別床面積合計、工事費予定額(全用途含む)」によれば、調査を開始した昭和30年度から平成28年度までの過年度の最高建築費(単価)及び平成28年度の建築費(単価)は以下の通りです(建築費は弊社集計による)。
構 造 | 昭和30年度~平成28年度迄の 最高建築費(単価) | 平成28年度の建築費 (単価) |
---|---|---|
木造 | 約\161,000/㎡(H8年度時点) | 約\166,000/㎡ |
鉄骨造 | 約\162,000/㎡(H4年度時点) | 約\209,000/㎡ |
鉄筋コンクリート造 | 約\249,000/㎡(H3年度時点) | 約\259,000/㎡ |
鉄骨鉄筋コンクリート造 | 約\332,000/㎡(H3年度時点) | 約\338,000/㎡ |
上表の建築費は全国の平均値ですが、過年度の建築費の推移を把握する上では有用な指標です。上表によれば、各構造の平成28年度の建築費は、過年度の最高建築費を上回り、過去最高の水準の状況にあります。
まとめ
総務省統計局の労働力調査「産業別就業者(建設業就業者)」によれば、過去の最高建築費時点の建設業の就業者は約600万人台でしたが、平成28年には約495万人の水準まで減少しています。
建築費の構成比で最も大きいのが人件費であり、有効求人倍率の上昇等からも分かるように人手確保のために人件費の上昇が建築費の上昇に影響を与えていることが推測されます。
このところ不動産市場は活況な状況にあり土地価格も上昇傾向にありますが、土地を購入し建物を建築することを目的とする需要者にとって建築費の上昇は土地価格にも影響を与えることから、今後の建築費の上昇の程度には留意が必要でしょう。
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