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所得拡大促進税制の見直し(中小企業編)

投稿日2018.02.18

平成30年度税制改正大綱では、賃上げや設備投資を後押しする観点から、「所得拡大促進税制」についての改正が盛り込まれています。今回のFAX NEWSは、この改正の内容をお伝えします。

【改正の内容】

所得拡大促進税制は、下表の要件を満たす一定以上の賃上げをした場合、増加額の一定割合を法人税額から控除できる制度ですが、以下の項目について改正される予定です。

(1)給与に関する要件の簡素化
・基準年度(平成24年度)からの増額要件が廃止
・平均給与を計算する際の継続雇用者の範囲を、当期及び前期の全期間に給与の支給がある雇用者とする
(2)税額控除額の計算の基礎となる増加給与総額を、平成24年度からの増加給与ではなく、前期からの増加給与とする(現行制度に比べ、控除税額が減少する可能性あり)
(3)税額控除割合の拡大(一定の要件を満たせば、控除割合が最大22%から25%へ)
(4)教育訓練費が一定以上増加した場合や、経営力向上計画の認定を受けた場合は、税額控除割合を上乗せ
(5)大企業向けの所得拡大促進税制との選択適用可

  中小企業 大企業
現行 改正案 改正案



給与総額が平成24年度より3%以上増加 廃止 廃止
給与総額が前期以上 廃止 廃止
1人あたり平均給与が前期より増加 1人あたり平均給与が前期より1.5%以上増加 1人あたり平均給与が前期より3%以上増加
国内設備投資額が減価償却費総額の90%以上



1人あたり平均給与の前期比増加割合
(1)2%未満の場合
(給与総額-平成24年度給与総額)×10%
(2)2%以上の場合
(給与総額-平成24年度給与総額)×10%+(給与総額-前期給与総額)×12%
(給与総額-前期給与総額)×15%※
※(1)及び(2)の要件を満たす場合は25%
(1)1人あたり平均給与が前期より2.5%以上増加
(2)次のいずれかの要件に該当
イ 教育訓練費が前期より10%以上増加
ロ 中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定及び向上の証明
(給与総額-前期給与総額)×15%※
※教育訓練費が前期・前々期平均より20%以上増加した場合は20%
控除限度額:法人税額×20% 控除限度額:法人税額×20%(変更なし) 控除限度額:法人税額×20%

平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に開始する事業年度について適用されます。
賃上げシミュレーションや経営力向上計画の認定を受ける等、事前準備をしておくとよいですね。

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(文責-久保田 一成)

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