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所有者の一部が所在不明の共有私道の工事

投稿日2018.03.08

所有者の不明な土地面積が全国で二割に達することは以前のFAX NEWS(YF00794)でお伝えしましたが、近隣住民が共有する私道においても一部の土地所有者が所在不明になり掘削補修工事等が滞る問題が生じています。

そこで、法務省は共有者全員の同意が無くても工事等が出来るように同意の範囲を明確にしたガイドラインを公表しました。今回は、「所有者不明私道への対応ガイドライン」についてお伝えします。

【共有私道とは】

国や都道府県、市区町村が管理する道路を「公道」、個人や法人が所有し自主管理している私有地の一部に設置された道路状の土地のことを「私道」といいます。その私道を、単独ではなく複数の人で所有している道路を「共有私道」といいます。

戸建住宅はマンションのように共用部分の管理費や修繕積立金がかからず、管理組合への参加義務がないなどのメリットが有ると言われています。

しかし、共有私道に面する戸建住宅に関しては、マンションのエレベーター・階段・廊下等の共有部分と同様に共有者全員で私道の維持管理・補修等に係る費用を負担することが原則ですが、管理組合のような組織がないことが大半で、必要に応じてその都度費用を集めて対応することが多いようです。

【共有私道の工事の制約の現状】

民法は、共有者が共有物に対して行うことが可能な行為として、①全員の同意が必要な「変更」、②持分の過半数の同意が必要な「管理」、③各共有者が単独で可能な「保存」の三種類に分けています。

しかし、共有私道の場合、実際の補修工事等の行為が上記の(1)~(3)のどれにあたるか明確ではなかったため、共有者全員の同意を得るのが一般的でした。そのため所有者が不明のために全員の同意を得ることが出来ず、陥没した道路の補修をするにも工事が進められないということも生じています。

【ガイドライン】

今回のガイドライン(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00203.html)では、典型的な35事例を挙げ、具体的に民法の解釈例を示しています。

例えば、道路陥没に伴いその部分のみを補修したり、私有水道管を新設したりする場合は、所在不明の所有者の同意を得ることはなく共有者1人の判断で工事を実施出来るように判断を示しています。

また、自治体が公共下水管を新設する場合は共有者の持ち分の過半数の同意を得る必要があるとしました。その他にも、共有私道内に植えられた樹木の伐採、電柱の新設・交換についても同意が必要な者の範囲が国によってルールが示されました。

私道の共有者や、自治体、水道・ガス等の事業者がこのガイドラインを活用すれば、今後は共有私道の工事が進めやすくなると期待されています。

【私道の所有者及び私道に面する土地の所有者が確認しておくべきこと】

共有・単独を問わず、私道は私人が管理するため、通行や掘削・補修工事に関してトラブルが生じる可能性は高いと思われます。今回ガイドラインで紛争解決の判断基準は示されましたが、トラブルは未然に防ぐことが大切です。

日頃からご近所との関係性を良好に保つのも効果的ですが、道路の舗装や上下水道・ガスの埋設管が老朽化する頃には住民の世代交代が進み、人間関係も変化していきます。

そのため、道路の種類・幅員・私道負担等について確認し、公道に至るまでの所有者等と「覚書」を交わすこと等を考えてはいかがでしょうか。

覚書には、共有私道の相互利用や道路掘削工事等についての事前承諾等が、将来的な所有者にもその効力が承継される旨を記載しておくと良いのではないでしょうか。

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(文責-林 達郎)

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