電子申告の義務化について
電子申告制度は行政の効率化や納税者の利便性の向上を目的として平成16年に開始されました。制度の開始以降現在まで電子申告を行うかは納税者の任意でしたが、平成30年度税制改正により一部の法人については電子申告が義務化されることが決まりました。今回は電子申告の義務化についてお伝えいたします。
1.義務化の概要
義務化の概要については下記のとおりです。国だけでなく地方自治体も対象となります。
対象税目 | ・法人税・地方法人税・消費税及び地方消費税・法人住民税・法人事業税 |
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対象法人 | ・事業年度開始の時において資本金又は出資金が1億円を超える法人 ・相互会社、投資法人及び特定目的会社 |
対象手続 | ・確定申告書 中間(予定)申告書 修正申告書 還付申告書 |
対象書類 | ・申告書及び申告書添付書類すべて |
2.適用時期
平成32年4月1日以後に開始する事業年度(課税期間)から適用されます。
3.適用開始届出
電子申告義務化対象法人については下記のとおり納税地の所轄税務署長に対し、適用開始事業年度等を記載した届出書を提出する必要があります。
(1)
平成32年3月31日以前に設立された法人で平成32年4月1日以後最初に開始する事業年度(課税期間)において義務化対象法人となる場合
〇当該事業年度(課税期間)開始の日から1か月以内
(2)
平成32年4月1日以後に増資、設立等により義務化対象法人となる場合
イ.増資によって義務化対象法人になる場合
〇資本金又は出資金が1億円を超えることとなった日から1か月以内
ロ.新規設立で最初の事業年度から義務化対象法人になる場合
〇設立の日から2か月以内
(3)
平成32年4月1日以後に義務化対象法人で消費税の免税事業者から課税事業者になる場合
〇課税事業者となる課税期間開始の日から1か月以内
※地方自治体については平成31年総務省令で届出制度が創設される見込みです。
4.留意事項
義務化対象法人においては申告書を書面で提出した場合、その申告書は無効扱いとなり無申告の状況のままとなります。無申告加算税の発生や青色申告の承認の取消などの不利益を被る事態になってしまいますので適用時期までに電子申告対応を済ませておくことが必要です。
業務の効率化を図るという観点では法人にもメリットがありますので、対象となる法人についてはお早めの対応をお勧めいたします。
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(文責-久保田 一成)
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