「建築基準法の一部を改正する法律」について
平成30年6月27日に上記法律が公布されました。現状は施行を待つ状況にありますが、今回の改正概要(http://www.mlit.go.jp/common/001242504.pdf)の中で最も不動産市場に影響があると思われるのが、「既存建築物ストックの活用」にかかる改正ではないでしょうか。
現在の空き家総数は20年前に比べ1.8倍に増加しており、それらの有効利用が極めて重要と言われています。今回の法改正の背景には、建築基準法の遵法性を満たしやすくすることで有効利用を促進することにあると考えます。
そこで今回は、「建築基準法の一部を改正する法律」の「既存建築物ストックの活用」を目的とした改正に焦点を当ててお知らせします。
1.「既存建築ストック活用」を目的とした改正内容(抜粋)とこれまでの問題点
(1) 戸建住宅等(延べ面積200㎡未満かつ階数3階以下)を福祉施設・商業施設等にする場合に、在館者が迅速に避難できる措置を講ずることを前提に、耐火建築物等にすることを不要にする。
→これまで空き家の戸建住宅を福祉施設・商業施設等の特殊建築物(旅館・簡易宿所含)で利用する場合、火災発生から一定時間倒壊等しないよう壁・柱・屋根・梁・屋根等の主要構造部分を耐火構造にしなければならず、多額の費用が生じるため有効利用されないことが問題でした。
(2) 用途変更の建築確認が必要となる規模を100㎡超から200㎡超に上限を拡大
→戸建住宅等の空き家には100㎡超のものが多いため、これらを用途変更する場合、現状の建物が適法であることを証明した上で煩雑な建築確認申請が必要とされていました。
また築年数が経過した古い建物は、適法であることを証明する検査済証を取得していない場合が多く、その場合は適法であることを証明するために専門機関等に依頼して調査、図面を作成して確認申請をする必要がありました。
このように手間や多額の費用が生じるため、用途変更が断念され有効利用されないことが問題でした。
2.まとめ
「既存建築ストックの活用」を目的とした改正の中で上記(1)(2)が中心と思われ、今後は空き家の戸建住宅等を地域の需要に見合った用途に積極的に変更し、有効利用されることが期待されます。
これまで現行制度内でも相応の改修費と確認申請費を負担し戸建住宅の民泊施設への利用が比較的多く見受けられたことから、今回の法改正により旅館業法にかかる民泊施設(旅館・簡易宿所)への用途変更が多くなると思われます。
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