入居者の孤独死について
今年5月に一般社団法人日本少額短期保険協会主催の「孤独死対策サミット2019」が開催され、孤独死現状レポートが発表されました。単身者世帯の割合は平成元年に20.0%であったものが平成30年には27.7%に上昇し、それに伴って孤独死(自宅内で死亡した事実が死後判明に至った一人暮らしの人)も増加しています。
今回は、同協会が公表している2015年4月~2019年3月までの賃貸住宅入居者の孤独死の実態を紹介します(出典:第4回孤独死現状レポート)。
統計
孤独死の男女比率は男性82.7%女性17.3%と男性が圧倒的に多く、死亡時の平均年齢は61歳で、60歳未満の現役世代が約4割を占め、決して高齢者だけの問題ではないことがわかります。
死亡原因は病死62.3%、自殺11.3%、事故死1.8%、不明24.6%で、興味深いのは厚労省統計による全死因に対する自殺率1.5%と比較して、孤独死者の自殺の割合が高いことです。
また、発見されるまでの日数は平均17日で、3日以内が40%の一方で、30日以上に長期化するケースが16.9%(うち90日以上2.6%)あります。
第一発見者は不動産の管理会社・オーナーが一番多く27.3%、次いで親族19.8%、福祉19.5%と続き、発見原因は、訪問(死亡者と連絡がつかないことによる訪問や訪問依頼含む)が54.6%、異臭・居室の異常が23.5%、家賃滞納が11.8%、郵便物の滞留が10.0%で、何らかの形で訪問することが早期発見につながっています。
損害
賃貸住宅での孤独死による平均損害額は、残置物処理費用21万円、原状回復費用36万円で、発見が遅れるほど原状回復費用は大きくなります。
また、事故や自殺、病死後長期間放置していた等、入居者の死亡の状況によっては心理的瑕疵のある物件として、宅建業法に基づく重要事項説明による告知義務が発生し、市場性の減退による空室損失や賃料減額等による損害もあります。
まとめ
統計からも、孤独死は高齢者だけの問題ではなく、今後も増加が続くとみられています。不動産オーナーはそのリスクを的確に把握することが対策の第一歩となります。
なお、季節毎の発生割合は冬と夏の1、7、8月が多く、今の時期も要注意です。大家さんと入居者との人的つながりが終局的な対策なのかもしれません。
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