医療費控除の対象となる医薬品の取扱い
今月17日から令和元年分の所得税等の確定申告が始まりました。国税庁はQ&Aの中で 「誤りの多い事例」を公表し、注意を喚起しています。
今回は「誤りの多い事例」の中から、医療費控除の対象となる医薬品についてお伝えします。
医療費控除の対象となる医薬品
医療費控除の対象となる医薬品とは、「治療又は療養に必要」な医薬品のことを言います。ドラッグストアで気軽に購入できる「一般医薬品」は、副作用等の発生するリスクの程度により3つに区分されますが、全て医薬品に該当します。
しかし、薬剤師は納税者の症状を診察したわけではないため、「治療又は療養に必要」なものであるかを直ちに判断することは困難です。そのため同じ薬を購入しても、以下のように控除の対象となる場合とならない場合があります。
(具体例)
購入の目的 | 治療又は療養に 必要なもの |
医療費控除 | |
---|---|---|---|
頭痛薬 | 頭痛を治すことを目的に購入 | 該当する | 対象 |
常備薬として備え付ける目的で購入 | 該当しない | 対象外 | |
禁煙補助薬 | 健康維持の目的で購入 | 該当しない | 対象外 |
医師からの処方箋あり | 該当する | 対象 |
つまり、購入の目的を明確にすることが必要となります。
セルフメディケーション税制
医療費控除の対象とならない医薬品であっても、「スイッチOTC医薬品」に該当すれば、セルフメディケーション税制の適用を受けることができます(既報横須賀G通信(YF-00764))。
「スイッチOTC医薬品」とは、一般用医薬品のうち医療用から転用されたものを言います。レシート等に当該税制の対象商品である表示や一部の商品には識別マークがありますが、不明な場合は、薬剤師に質問すると安心です。
しかし、セルフメディケーション税制の適用は、医療費控除といずれかの選択になる点には留意しましょう。
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